川島真彩の幸せの部屋

「幸せは全て自分の心から生まれる」 ~元JW(エホバの証人)2世からのメッセージ

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ずっと死のうと思ってた – ものみの塔(エホバの証人)の2世信者として長く苦しんできたこと(第3回)

この記事は約8分48秒で読めます

清水富美加さんの出家報道に際して思い返した自分のこれまでのこと

ある宗教の2世の信者さんである、女優の清水富美加さんが出家されたことが話題となっています。
親が信者で生まれながらに信仰を強制させられた2世の清水富美加さんの、これまでとこれからの心情に、宗教は異なりますが同じ2世として思いを馳せています。テレビに映っている彼女は幸せそうですので、その幸せが続くよう祈っております。

この一連の報道に際して、この世に生を受けた時からエホバの証人(JW)2世として育てられた自分のこれまでを振り返ってみました。
長くなりましたので、何回かに分けて投稿致します。前回の記事に続き、第3回目の投稿で今回で最終回です。

なお、これは私個人の体験談であり、同じエホバの証人の子どもとして育てられた方々でも、境遇やものみの塔の教理・指示に対する感じ方、入信中及び脱会後の考え方・生き方は様々ですので、あくまでも元JW2世の一例としてご覧いただけたらと思います。

長期に渡り無意識に私を支配していたものみの塔の教理・指示

無事に組織を離れてから相当の年月が経っても、なかなか無気力な状態が抜けませんでした。

ものみの塔独自の冷酷な教理や信者たちの言動によって組織に対する疑念が募り、自分の意志で組織を離れてかなりの年月が経ち、自分では「もう私の中からは、ものみの塔に毒された部分は抜けきった」と思っていたにも関わらず、実際には母の胎内にいる時から絶え間なく、様々な巧みな表現を用いて心の奥底まで染み込まされた教理が、自分の中に暗闇として残っていました。

組織から離れてから十数年経った頃、ある信頼している方に自分が過去にエホバの証人であったことを告げた時に「まさか、今でもハルマゲドンが来るとは思ってないよね?」と聞かれ、返事ができない自分がいることに驚き、ようやくそのことに気が付きました。

2013年、大病になり入院した際、救急病棟の中で「もし生き延びることができたらエホバの証人の子どもたちを助けるために行動しよう」と決意しましたが、自分の心の中に教理の闇が残っていることに気が付いたのは、その決意よりも後のことでした。

退院後は、まずはものみの塔のことは置いておき、様々な良書を読んで自分の心と向き合い、また人生の仕組みについて書かれた本を読み込んでいきました。
その後ものみの塔組織について調べ始め、徐々に実態を知っていくことになりました。(これは珍しいパターンかもしれません)
そして今のところ、一番最後に自殺願望を持ったのは、ものみの塔の実態を知った2013年の冬です。
幸い、自分で納得できる人生の仕組みを知った後でしたので、立ち直りは早かったです。

自分では「もうものみの塔の教理には支配されていない」と思っていたのに、実際には長期に渡り無意識に私を支配していたものみの塔の教理・指示は主に下記のようなものでした。

ハルマゲドンでエホバが人類を抹殺するという教理

2013年~2014年頃までハルマゲドンの悪夢を見ることがありました。
そして「どうせハルマゲドンが来るのだから、何をがんばってもムダになる」と感じていました。
参考:習慣と信条 – ハルマゲドン | エホバの証人研究

義務教育以上の高い教育を求めるのは筋が通らない、大学では「有害な思想」が教え込まれているとし、大学教育を蔑視する教理

勉強をすることが好きなのに、心の中でそのような自分を認めようとしていませんでした。
参考:習慣と信条 – 大学教育 | エホバの証人研究

正社員の仕事に就かないように圧力をかけてきたこと

正社員の仕事に就くことを禁止しているわけではありませんが、ものみの塔誌などで、宗教活動をおろそかにしないようにとの指示を繰り返し、定職に付くことはあまり勧めないような言い回しをしてきました。

例えば、ものみの塔オンライン・ライブラリーの「神の愛」182ページには「世俗の仕事のゆえに主要な業から注意をそらされたりはするまい、という決意を抱きましょう。神の王国の良いたよりを宣明する業を優先することによって、エホバへの愛を示し、エホバの愛のうちにとどまることができるのです。」と書かれています。

また、宗教活動を優先させるために正社員を辞めてパートタイムの仕事に切り替えた信者を周りの信者が賞賛する、という光景も見てきました。ある現役の信者さんのブログ記事によると、集会に出席するために会社を辞めるよう長老が信者を促すという事態も起きているそうです。

私も正社員の仕事に就いた時には、嬉しい気持ちもあった反面、正社員になってしまった自分を心の中で批判していました。そんなこともあり、せっかく正社員で就職した会社も長続きしませんでした。

参考:習慣と信条 – 律法主義 | エホバの証人研究
信者たちがそのような行動に出る理由もご理解頂けるかと思います。

女性蔑視の教え、組織構造

女性信者のほうが多い組織ですが、どんなに入信歴が長くても、女性は企業でいうところの幹部や管理職に相当するポジションに就くことはできません。また女性信者に対する様々な制限があります。
私も無意識のうちに「男性のほうが偉い」という錯覚に陥っていました。

なお、女性蔑視の教義を持つものみの塔には女性信者限定の規制もあり、布教活動や集会などの宗教活動の際には、子どもを含む女性信者の服装はパンツスタイルは禁止されており、スカートの着用が強要されていました。そのため真冬の非常に寒い日でも凍えそうになりながらスカート姿で戸別訪問をさせられており、体調が悪い時などは厳しい状況を強いられました。

参考:エホバの証人の姉妹たちも人間です | 静かなる嵐
参考:女性蔑視強化のための改ざん | 新エビのしっぽ

自分の意思で宗教活動を行なっていたかのように錯覚させられていたこと

ものみの塔はほとんどの場合「〇〇しなさい」「〇〇は禁止です」といった明確な表現を用いず、以下のような言い回しを用い、信者の口から回答や「気持ち」を引き出します。

  • 「〇〇なことは明らかです」
  • 「〇〇したことで、今では報いを刈り取っています」
  • 「このようなことをすると、エホバはどのようにお感じになるでしょうか?」
  • 「〇〇と感じてしまうのはなんと悲しいことでしょう」
  • 「〇〇することはエホバに喜ばれないことです」
  • 「〇〇したいと思うことでしょう」

これは組織が責任逃れをするためでもあると思います。そしてその回答や「気持ち」は、組織の意向に沿う内容のみが許され、決して自分の意見を言うことは許されていませんでした。

そのような質疑応答を繰り返しさせられてきたため、自分の意思で宗教活動を行なっていたかのように思っていましたが、きちんと振り返ってみると、組織の思惑通りに動かされていただけで、自分の良心に反する行動を取らされていたことに気が付きました。

入信した妻子の宗教活動に反対する父親を迫害者と呼ばせること

第1回の記事の最後にも書きましたが、この記事を書いて何度も読み返すまで、私は父のことを自然と「迫害者」と呼んでいたことに気付きませんでした。
脱会してから17年経ち、このサイトを数年運営しているにもかかわらず、いまだ洗脳が解けきってないことに驚き、洗脳の怖さを改めて思い知りました。

私が子どもの頃から自殺願望を持っていた原因

こうして振り返ってみると、私が子どもの頃から自殺願望を持っていた原因は下記だと思います。

  • 自分の良心に反する行動を取らされていたため
  • 人間は無力で無能である、エホバ(実際にはものみの塔組織)だけに頼るべきだ、それに従わない場合は生きる価値のない人間だと叩き込まれていたため
  • 間もなくハルマゲドンが来て、エホバの証人以外の人類が抹殺されるという教義を教え込まれていたため

組織を離れて17年経った現在でも、完全にものみの塔の教理の毒の部分が抜けきったかどうかは分かりません。
自分の心を守るために実家を出てから十数年が経ちますが、その間に実家に行ったのは1度きり(家を出て間もなく母から呼び出され仕方なく訪問しました)。
その日から十年以上実家には近寄っていないのですが、果たして今後実家に行くことがあるのかどうかは分かりません。
ただ、実家を出たことにより心の回復が促進されたので、実家を出て良かったと感じています。

ものみの塔組織については残念な思いしかありませんが、私は罪を憎んで人を憎まず、という考え方ですので、エホバの証人たちを批判することはしたくありません。
これからも視野を広げていき、自分の心に合うものを取り入れ、自分の良心に従った生き方をしていきたいと思っています。

清水富美加さんの洗脳されるのを選んだという気持ち

女優の清水富美加さんは「洗脳上等だよって感じですよね。『洗脳されてるんじゃなくて、されるの選んでるんだ』って気持ち」と著書にお書きになったそうですが、もしかしたら私のように、組織の教理・指示により自分の意思で行動していると思い込んでいる可能性もあるかと思いました。
組織による洗脳とは、私のように脱会して何年も経過し組織に批判的なものでも、解けきったかわからないほど強力ですので。

ただ、彼女が死にそうになるほど悩んでいるときに逃げ場があり、現在、幸せそうにしているのであれば、私が何か言うことでもないと考えています。

昨今、芸能界が夢見る若い人を食い物にして服従させているのが多く目に付くようになってきている中、それでもこれら人権侵害に対してマスコミは非難するどころか擁護する方向にしか報道しないという芸能事務所の権力の大きさ・恐ろしさを感じます。

そういった絶大な権力に対して、彼女の側に立って対抗し守ることができたのは、たとえそれが組織にとってのメリットがあるからだとしても、組織の資金力・動員力があるからなんだなと複雑な想いで見ています。
もし私が同じような立場だったらものみの塔に対して、2世として散々苦しんできたのだからそういったことで利用してやろうと思ってもいいのでは、とも考えてしまいます。(ま、私が芸能人の立場になること自体考えられませんが…)

心を立て直すのに役立ったこと

長い年月、自分の過去や親に対する恨みつらみや劣等感(ハンデがあります)を抱えながら、また、幸せそうにしている周りの人たちへのうらやましさを持ちながら、でも真っ当な人間になりたい、幸せになりたいといった気持ちも持ちながら一進一退を繰り返してきました。

心を立て直すために特に役に立ったのは、過去記事「私の人生を救ったもの」でも書いています通り以下の3つでした。

  1. 命の恩人ともいえる方、心の豊かな方々と出会い、話を聞いていただいたこと、そして彼らの考え方、行動から学ぶようにしたこと
  2. レイキヒーリング(日本発祥の、心身の癒しに効く伝統療法です。参考過去記事:「隣のおばあちゃんとおしゃべり&ヒーリング」
  3. 様々な良書を読み、良いと思った本の内容を実践するよう努めていったこと

また、旅に出たこと、できるだけ運動をするようにしたことも大きな助けになったように思います。

組織に否定された学ぶということ・仕事をするということについて大きな気付きを与えてくれた本

私の人生を変えた本については、こちらのページでご紹介していますが、加えて、組織に否定されていた「学ぶということ」「仕事をするということ」について私に大きな気付きを与えてくれた本2冊を下記にご紹介します。

これらの本が、組織に「学ぶということ」「仕事をするということ」を否定的に植え付けられ、一般の社会で生きづらくなってしまったご自身の心を立て直すきっかけの一つになれば幸いです。

手紙屋 蛍雪篇 〜私の受験勉強を変えた十通の手紙〜

進路に悩む高校2年生の和花が、謎の人物「手紙屋」との手紙のやり取りを通して勉強の本当の意味とその面白さに気付いていきます。
「何のために勉強するんだろう?」と思った方や、学生さんに特にお薦めですが、どの年齢の方が読んでも心に響く、勉強が大好きになる本だと思います。

「学校の勉強なんて、できても意味がない。そんなのできなくても、将来成功できる」
よく言われる言葉です。さまざまな方面で成功を収めている方の著書にも書かれることが少なくない、このフレーズ。

「勉強なんてしなくていい。しても意味がない」という意味としてとらえられがちですが、僕は決してそういう意味ではないと認識しています。
確かに、「できる」「できない」にはさほど重要な価値はないという意味では、僕も賛成です。
「点数」「成績」「○○大学合格」のためにしか勉強を使えないのであれば、しないほうがいいと僕も思います。

でも、決して勉強は「しても意味がない」ものではありません。
今の私たち人間の生活すべては、勉強による英知の継承によって成り立っているのですから。
だからこそ僕は、僕たちの持っている「勉強する権利」を大切にしていくべきだと思っています。
みんなで上手に使って、大切にしていかなければならない、と。

あとがきより 『手紙屋 蛍雪篇〜私の受験勉強を変えた十通の手紙〜』喜多川泰 著

手紙屋 ~僕の就職活動を変えた十通の手紙~

就職活動に乗り遅れた一人の大学生が、手紙のやり取りを通じて成長していく物語です。ストーリーとしては、『手紙屋 蛍雪篇〜私の受験勉強を変えた十通の手紙〜』の続編ですが、先にこちらを読むほうが、より楽しめるかもしれません。
紙の書籍のタイトルは「手紙屋」となっており、Kindle版のタイトルは「手紙屋 ~僕の就職活動を変えた十通の手紙~」となっているようです。

この2冊はセットで読むのがお薦めです。学生さんや就職・転職活動中の方だけでなく、働くことの意味を模索している方、社会人の方にも。分かりやすい文章ですが、内容は濃いです。読了後には爽快感が味わえ、喜多川氏の温かいお人柄が伝わってきました。

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このサイトについて

元エホバの証人(JW)2世の川島と申します。2000年に自然消滅(ものみの塔組織から平和的に離れること)をすることができました。
現在は保育関係の仕事をしながら、病気も経験しつつも心穏やかな日々を送っています。
どんな過去があっても、人は幸せになれる、ということを伝えていきたい、そして子どもたちの人権を踏みにじる行為を防ぐ力となりたいと思っています。
当サイトが、ものみの塔からの脱会と脱会後の助けになりましたら、また多くの方の心に灯をともすことができましたら幸いです。
また、JWについて一般の方々にも知っていただくきっかけになれたらと願い、JW以外の内容のブログも多く綴っております。

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