私が目撃した、長老家族に対する信者たちの態度の一変
川島真彩 30代女性
私が子どもだった20数年前に、当時在籍していた会衆(※)で目撃した出来事です。
※会衆とは、一つの王国会館(JWの教会の建物)に集まる信者の集合体の呼び方です。
エホバの証人内には「長老」と呼ばれる、キリスト教会の牧師や神父に相当する立場の男性信者がいるのですが、ある時私の会衆にいたある長老(仮にO長老とさせていただきます)の息子さんが「罪を犯し」ました。
「罪を犯す」といっても、一般社会では犯罪にはならない程度の内容だったのですが(後日、その「罪」の内容が主婦信者間であっという間に広まり、私もその内容を知ることとなりました)、その息子さんが「罪を犯した」という内容(そして恐らくそれに関連して息子さんやO長老に対する処分)の発表がある日の集会でなされました。
私はまだ幼かったので、具体的にどのような言葉でその発表があったのかは覚えていませんが、「拍手をしてはいけない発表があった」と記憶しています。
その日を境に、周りの信者たちのO長老家族に対する態度が一変しました。
それまでは集会が終わるたびにO長老(O長老はそれまでほぼ全ての集会で講演をされていました)や、その日講演をした信者のもとに大勢の信者たちがまるでアイドルを崇めるファンのようにわらわらと集まり、「今日の講演も大変励まされました~」などとお礼を述べていたのですが、「拍手をしてはいけない」発表があった日を境にO長老は二度と講演をすることはなくなりました。
また、それまで常にO長老家族は最前列の席に座っていたのですが座る席も一番後ろの席になり、信者たちは誰一人としてO長老家族に声を掛けることはなくなりました。
いつも講演などで「クリスチャン愛」を謳って「私たちは神への愛によって世界中で一つに結ばれている」などと壮大なことを言い、お互いを「兄弟」「姉妹」と呼んでいたにも関わらずその発表の日を境に態度を一変させ、信者たちはまるで汚いものを見るかのような目つきでO長老家族を見て避けるようになり、あいさつすらもしなくなったのです。人としての心はどこにいってしまったのでしょうか?これでは一般の方々から「エホバの証人たちは組織のロボットだ」と非難されても反論する余地はないと思います。
もしかしたら私が発表の詳細を聴き逃しており、息子さんの「罪」以外にも、O長老自身も同時期に「罪を犯した」という可能性もありますが、当時の私の認識では、息子さんが「罪を犯した」のみでした。
私は「組織の定める『罪』を犯したり、組織に逆らうようなことをすると、家族もろともこのような目に遭うんだ…。もし私もO長老家族に話しかけたら、同じ目に遭うかもしれない」と背筋が凍り、その発表の日以降、O長老家族に話しかけることはしませんでした。
終始うなだれるようになってしまったO長老家族の姿を見て心を痛めながらも、そのような恐怖心から私も「忌避」という人権侵害行為をしてしまったことを大変後悔しております。
そして幼い子どもにもそうせざるを得ないような非人道的な指示を出している『ものみの塔聖書冊子協会』に対しては、信者たちへの忌避行為を強要する指示を即刻取り消すように切に願います。
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