エホバの証人以外の人は悪魔サタンに支配されているという教え
匿名希望 30代女性
私が子どもの頃、熱心なJWであった母親によって、ものみの塔に関係のない物は極力排除するという子育てが行われていました。
たとえば、信者ではない父が買ってきてくれたごく普通の本も、目の前でびりびりに破られて捨てられました。
兄弟が多くて非常に貧しい生活をしていましたが、母は通常の仕事はせずに、毎日集会と奉仕に子どもたちを連れ回していました。そのため、貧しさは日々増すばかりでしたが、母はものみの塔にはしっかりと寄付をしていました。
ものみの塔がムチ打ちを推奨していたため、ささいな理由で子どもたちは連日のようにムチされていました。
ムチはいつも父がいない時に行われていたので、父はこのことを知りません。
我が家のムチは、30センチ定規を使って、服の上からではなく、直接臀部を鞭打つものでした。
例えば、当時まだよちよち歩きだった妹が、玄関に置いてあるバドミントンのラケットを触っただけでも、おむつを外されて、ムチをされていました。
触ってはいけないと注意したのに、また触った=親に逆らった=心の中にサタンがいるから、サタンを追い出すために懲らしめのムチ、ということなのです。
また、その妹が2,3歳だった頃、集会中にぐずったらムチをされるのがかわいそうで、私は母に見つからないよう、こっそりとノートにキティちゃんの絵を描いてあげていました。ところが妹が「キティちゃん、描いて」と私に言ったことに気付いた瞬間、母は妹をトイレに連れて行き、ムチをしました。
妹の泣き叫ぶ声が今でも頭から離れません。
また、自分のせいで妹があんなにひどい仕打ちに遭ったと自分を責め続けています。
どんなに年齢が低くても、スーパーの中でほんの少し走ったという理由だけで、また奉仕中にベビーカーの中でぐずったというだけでムチをされていました。
ムチは大抵人目のあるところではせず、帰宅してから寝る前にまとめてされていました。
雨戸を閉めて、外に音が聞こえないようにしてから、幼い子どもたちがムチ打ちを受けるという、地獄のような毎日でした。
そのせいか、悪夢でうなされたり、眠れないこともしばしばでした。
私はムチが怖くて、また、母を喜ばせたくて、日々従順に従っていました。
しかし、集会中や大会中にムチをして、ムチをした母親信者を褒め合っている会衆内の信者たちを見たり、「子どもを愛しているのなら、懲らしめのムチを」などと講演している長老などを見て、このまま生きていても仕方がない、と思うようになりました。
また、「悪魔サタンの支配下にある迫害者」の父に殺されるのではないかと怯えていました。
もうすぐさらなる迫害が来て、ハルマゲドンでエホバの証人以外滅ぼされ、このような冷酷な人たちと永遠に楽園で暮らすなんていうのは恐ろしい、そうなる前に早く楽になりたいと思うようになり、小学校高学年になると、手首に包丁を当て自殺を試みるようになりました。
また「この世は悪魔サタンに支配されている」というものみの塔の教義によっても心が壊れていき、周りの人間が全員悪魔のように思え、突然なんの前触れもなく怒りが爆発するようになりました。
それでも、表向きは模範的なエホバの証人を演じ続けていました。
また、「間もなくハルマゲドンが来るのだから、この世の教育や仕事よりも神の業を優先するように」と大学に進学しないよう、また正社員にはならないよう圧力をかけられました。
会衆内の若者たちも同じように親や長老たちから圧力をかけられており、多くの若者がその指示に従って、中学卒もしくは高校か高専卒で、開拓者になっていました。
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