「カルトの子―心を盗まれた家族」米本和広
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エホバの証人の子どもたちは信者である親の愛を得るためにきわめて大きな犠牲を払わされてきました。
母親に連れられての伝道訪問や、クラスメートの前で「証言」しなければいけないこと、信条ゆえにいじめを受けることなどによって心に深い傷を負った子どもたちは少なくありません。
信仰をめぐって家族はしばしば激しく対立し、エホバの証人問題による家庭内暴力、別居、離婚の数は相当数に上ります。
エホバの証人の章に書かれていた内容は、私自身が体験してきたこと、見聞きしてきたことと重なり、恐怖の記憶が蘇ってきました。
エホバの証人、オウム、統一教会、ヤマギシ会、ライフスペース…。平凡な家庭にカルトが入り込んだとき、子どもたちはどうなるのか。カルトの子が初めて自分達の言葉で語った、心を盗まれた家族の実態。(「MARC」データベースより)
親がある教えを絶対であると信じ込んだ結果(これは宗教やイデオロギー、信条一般に通じる)、子どもにふりかかる不幸はどの組織でも同じことなのだということに気づかれるだろう。(本書プロローグより)
「実質的に世間から隔離された環境で育った子どもは、教団を抜けたとき自らの一般常識のなさに愕然とする。感情や葛藤が子ども時代から抑圧され続けたため、成人してからも本当の親密さや楽しさの感覚を持つことができない。」(本書解説より)
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