美咲さんの体験談3
父との暮らしと夫との出会い
その日のうちに家を出ました。
手持ちのお金が尽きた頃、単身赴任中の父から連絡が入り、一緒に暮らそうと言ってくれました。
信者だった頃、散々邪険に扱ってしまったのに、父は優しく私を迎え入れてくれました。
今までできなかったぶん、誕生日もクリスマスもお正月も父と過ごしました。
『こんなにも楽しい時間は久しぶりで嬉しい、ありがとう。』
と、涙を流して言う父に、今までの申し訳なさでいっぱいになりました。
その時に話してくれたことですが、父はとても悲しく、悔しい思いをしていたそうです。
家族の時間をエホバに取られたと。
家族が自分ではなく、エホバ中心になり、家に居場所がなかったと。
どんどん壊れていく家族を見ていられなかった。
なので会社にお願いして単身赴任したと。
今でもよく言っています。
『自分の家族が壊れていくことにも気付かずに、
人様の家を回って布教活動。何が愛ある神だ。
愛なんて微塵もないじゃないか』と。
父と暮らしながら、新しい地で、新しい友達を探そうと試みましたが
なにしろそれまで人間関係を学んでこれず、心が病んでいましたので、誰とも長続きしませんでした。
十分な愛情を貰えずに幼少期を過ごしてきて、DVまで受けてきた私の心は、ズタズタで幼稚なままだったんだと思います。
誰かに優しさや愛を向ける余裕なんて、これっぽっちもなかったんです。
そんな中でも、呆れることなくいてくれたのが今の主人なのですが、なんのイタズラか彼もまた排斥者でした。
義母は現役のエホバの証人。
もちろん会話なんてできません。
遊びにも行けません。
孫の顔を見せられるのも、年に数回あるかないかです。
最初は親身になって話を聞いてくれたり食事を持ってきてくれたりしていましたが、規則が厳しくなったのか、いつからか私と連絡をとるのは事務的な内容だけに。
会ったときにどれだけ話しかけても、ぺこぺこ会釈をするだけになりました。
子供時代のトラウマが蘇り、義母が私を避ける姿からは悪意しか感じられなくなりました。
さらになんのイタズラかご近所さんもエホバの証人なのですが、私とすれ違う度に
『うわっ』『でたっ』と声に出して言います。
子供たちが挨拶をしても無視です。
義母との関係が良くなるならと、一度だけ戻ろうと集会に出席したことがありました。
ですが、大人になった私には疑問点ばかり。
後日、自宅にまで来た長老に疑問点を投げかけると、長老は黙って首を横に振り、黙って帰りました。
会衆の方々はもちろんこぞって無視。
いないかのような扱いです。
深く深く傷つきました。(続く)
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