戦後初の自由学校『きのくに子どもの村学園』
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和歌山県橋本市の山間にある自由教育の「きのくに子どもの村学園」を最近知り、大変興味深いと思いましたので、ご紹介させていただきます。「きのくに子どもの村学園」のホームページはこちらです。
「きのくに子どもの村学園」の特徴
「きのくに子どもの村学園」は、フリースクールではなく文部科学省も認める一条校、つまりれっきとした卒業認定証がもらえる私立の小中学校で、全校生徒のうち4分の3が学校の寮で共同生活をしています。
「きのくに子どもの村学園」には、子どもの「自己決定」と「個性」、「体験学習」という3つのキーワードがあります。
時間割に普通の教科の名前はなく、「プロジェクト」という名の体験学習が大半を占めています。みんな何を学びたいのかを自分で決めるのです。さらに、チャイムも試験も、普通の通信簿もありません。
小学校は、年齢に関係ない完全縦割り学級で、木工やガーデニングの『工務店』、畑や田んぼの『ファーム』、食の研究の『おもしろ料理店』など、5つの「プロジェクト」から関心のあるものに所属し、それに関連した作業を通じて楽しみながら知識を身につけていきます。
例えば『おもしろ料理店』は、単に料理を作るだけではありません。レシピに出てくるグラムやccなどの単位のほか、食材の持つ性質や栄養素、さらには麹菌を使うみそ造りなどを通して菌類の性質や役割も学んでいきます。
「子どもたちにとって、単位計算は単なる記号の計算ではありません。美味しい料理をつくるための必須アイテムなんです。そういう目的があると子どもたちはとても早く覚え、しかも、身になる知識になってゆくんです。」
『おもしろ料理店』の担任をしている「久美ネエ」こと、清水久美子さんは言った。瀬川正仁著『教育の豊かさ 学校のチカラ』より引用
1週間の授業の中で、14時間がプロジェクトでの「体験学習」です。この中で社会科のような調べものもするし、分数の考え方を学ぶこともあります。6学年一緒のクラス構成だと、学習の進み具合など公立の学校と同じようにはいかないという心配も聞かれないこともないそうですが、小学校6年間学べば、文部科学省の定める小学校で学ぶべきカリキュラムをほとんど習得できるようになっているそうです。
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