すべては人を思う気持ちから始まっているー「全財産を使って外車買ったら、えらいことになった」を読んで思ったこと
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先日友人に薦められて、岸田奈美さんの「全財産を使って外車買ったら、えらいことになった」という記事を読みました。
タイトルからして、車好きの人が全財産を注ぎ込んで高級外車を買ったら幸せになりました、という話かなと思いましたが、全然違いました。
下半身麻痺になり足がまったく動かなくなってしまった母親のために、亡くなった父親がこよなく愛したボルボを購入し、母親が運転できるように運転席を改造してもらった話だったのですが、これがまた良い話でジーンと来ました。
記事の内容を簡単に説明しますと…
奈美さんの父親、浩二さんが「いざという時も、クソ頑丈で、乗っている家族を守れる車を選んだ」と、こよなく愛していたボルボ。
浩二さんは15年前に心筋梗塞で突然死してしまい、家族は金銭面の事情で仕方なくボルボを手放すことに。
生きているだけで精一杯の日々が続く中、「それでも生きているうちに、一回は乗れたらいいな」と、ぼんやり思っていたそうです。
車いすを使用している母親は、長いローンを組んでホンダの赤いフィットを手に入れ、フィットを改造して手だけで運転できる車にして10年間乗っていたのですがガタが来始めていたので、どうせなら一生に一度は乗りたい車に乗りたい、とボルボに想いを馳せていたところ、車いすでも運転できる唯一のボルボ、V40が生産中止になることを知って急いでボルボのお店に駆け込んだ岸田奈美さんとお母さんと、知的障害のある弟さん。
手元には購入できるお金がない&ローンは組めないにも関わらず、奈美さんは間もなく入って来る予定の印税と貯金を合わせたらぎりぎり足りるということで、そのお店にあった最後の1台を購入することに。
ところが、奈美さんのほぼ全財産を使って購入してはみたものの、お店で親身になって対応してくれた山内さんという方がボルボの運転席を障害のある人用に改造する工場を探してもなかなか見つかりませんでした。
それでも山内さんは諦めずに自らボルボを運転して工場に直談判しに行き、改造してくれる工場を見つけることができました。
唯一改造を引き受けてくれた「ニッシン自動車工業関西」の山本雅尋社長もまた、とても親身になって対応してくれる方だったのです。
「改造って、大変じゃないですか?ボルボみたいに、車ごとにつくりも違うし」
って聞いてみたら。
「大変です。家に帰って、ご飯食べてるときも、お風呂に入ってるときも、ず〜っとどう改造したらいいかを考えています」
「そんなに大変なのに、どうして引き受けてくださったんですか?」
「ぼくも、父親の足が悪くてね。車に乗れるだけで、行動できる範囲もグッと広がるし、本人の楽しみも増えるじゃないですか。だから、こういう改造を引き受けてるんです」
大切な人を思ってひねり出した新しい仕事が、また別の、大切なだれかを幸せにしているのだ。すべては、人を思う気持ちから、はじまっている。
泣きそうになった。
この人がいなければ、わたしたちは、一生ずっと、夢を叶えられないままだった。(「岸田奈美のnote」より引用)
岸田さんファミリーのために親身になって奔走してくれた山内さんや山本社長や工場の方々はなんて温かい人たちなんだろうと思いました。
私はこの記事を読むまで、車の運転席を手だけで運転できるように改造することができることすら知りませんでした。車椅子でドヤ顔で車を運転するお母様の映像が、なぜか中国やタイやミャンマーで話題になっているというように、人を思う気持ちが、どんどん技術を革新させ、人々に夢や感動を与えていっているんだと感じました。
過去記事「豊かになること、技術が発展するということ」の中でも触れましたが、今後もさらなる技術の発展は必要なことだと思います。
最近、人生は楽しむためにあると色々な本で読んだり聞いたりして納得していたのですが、改めてこういう生き方っていいなと思いました。是非、読んでみてください。
また、この一連の流れを12月6日放送の「サンデーステーション(テレビ朝日)」で観れるようなので、ぜひ観てみようと思います。
岸田奈美さんのご著書「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」も気になるので、読んでみようと思います。
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