川島真彩の幸せの部屋

「幸せは全て自分の心から生まれる」 ~元JW(エホバの証人)2世からのメッセージ

メニュー

『情けは人の為ならず』アルバイトを通して感じたこと

この記事は約3分40秒で読めます

私はここのところ、レストランとラーメン屋さんでアルバイトをしていました。今回の勤務を通して感じたこと、反省したこと、考えたことを記事にします。

自分のハンディキャップを隠さずオープンにしないと益々苦しくなる

今年に入ってから、あるレストランにアルバイトの応募をしました。

私はこれまでファミレスやうどん屋さん、テーマパーク、スーパーなど様々なアルバイトをしたことがあり、とろいなりにも何とか業務をやってきたので、今回も大丈夫だろうと思い、自分が相貌失認であることを伝えずにオーナーさんとの面接を受けてしまいました。
そして雇ってもらえることになったので、そのまま研修へと進むことに…。

ところがそのお店は、これまで勤務したことのある飲食店よりもずっとお客さんとの距離が近く、常連さんの顔を覚えて「○○様」とお名前をお呼びしながら接客することが求められるお店だったのです。

初日はオーナーさんが私に付きっ切りで仕事を教えてくださったのですが、予想以上にお客さんとのコミュニケーションを取るスタイルのお店であること、そしてそのようなコミュニケーションによってこれまでオーナーさんが数多くの方々との人脈を築いてきたことを知りました。

初日の研修を終えて「私がこれからこのお店で働けば働くほど、これまでオーナーさんが築き上げてきたものを壊してしまうことになる」と感じ、辞めることにしました。

面接の時点で、相貌失認であることをお伝えしていれば、オーナーさんの貴重な時間と労力を使わせずに済んでいただろうと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、「今後アルバイトや仕事の面接を受けるときには、きちんと伝えよう」と反省しました。

また、そのようなハンディキャップを隠して無理に取り繕おうとすると、無理が無理を呼び非常に苦しい状況になってしまうのを体験しました。自分の状況をオープンにして周りに理解していただいた方が気持ちが楽になり、よりいい仕事ができるようになると思いました。

相手の立場に立って考え行動する

次に、ラーメン店でのアルバイトの面接を受けたのですが、その時にもそのお店のオーナーさんが面接をしてくださいました。そのオーナーさんをA氏とさせていただきますが、A氏の口から出た言葉が私にとっては衝撃的でした。

大抵、アルバイトの面接というと「週にどれくらい働けるの?」と聞かれるのが一般的かと思いますが、A氏は「どのくらいお金が必要なの?」とこちらの働く理由を主眼において、必要な金額に合わせてシフトを調整するように気を配ってくださったのです。
さらに私に本業があることを知って「お店の状況次第では、もし急遽本業のほうの仕事が入ったら、退店して本業の仕事に向かっていいから」とまでおっしゃってくださったのです。

普通だったら、お店経営の立場から従業員のシフトをどのように組むか、ということを優先して考えるところ、このように働く人の立場に立って従業員の業務を考えているところが非常に驚きでした。

また、前のレストランでのアルバイトの教訓から、私が相貌失認であることを伝えたところ、「気にしなくて大丈夫だよ」とおっしゃってくださったので、気が楽になりました。

A氏は非常に大変な子ども時代を過ごされた方なのですが(エホバの証人とは無関係の方です)、たくさんのお辛い思いをしてこられたせいか、周りの方々の気持ちを察して気を配り、立場のある方であるにも関わらず周りの方々に感謝をし続ける、器の大きな方でした。

正社員、アルバイト問わず、従業員一人一人を大切にしていらっしゃり、従業員の方々から慕われていました。
そして従業員の方々もA氏の想いに応えるべく、少しでもお客さんに喜んでもらおうと、A氏がお店にいない時にも清掃や調理、接客を心を込めて行っていました。

たとえば、そのラーメン店のラーメンは特に麺が伸びやすいため、提供時にお客さんが席を外していて、少し時間が経ってから戻られたお客さんには、もう一度ラーメンを作り直したりもしていました。
また店内は、お客さんがゆったりと過ごせるような工夫がされていました。
そしてA氏の経営するお店で十数年前にアルバイトをされていた方から今でも連絡が来て、再会されたりもしていたので、これまで長い年月誠意を持って人と接してこられた方なんだということも分かりました。

A氏のラーメン屋さんは、ラーメンがとても美味しいことで有名で、今もどんどん発展を続けているのですが、そのようにとても人気があるのは、A氏が日夜美味しいラーメンの新メニュー開発に挑んでいる上に、A氏の温かいお人柄で、老若男女問わず会う人会う人をファンにしていっているからこそだと思います。

情けは人の為ならず

現在、日本中が人手不足で従業員を雇用できずに事業を縮小・撤退する企業が後を絶ちません。特に飲食店でアルバイトが集まらない問題は深刻化しています。牛丼チェーンなどではアルバイトが集まらず、営業時間を短縮したり閉店した店舗も多いそうです。

そんな中、従業員がモチベーションを持って働くことができ、お店と従業員が良い関係を築くことができていることが、A氏のラーメン屋さんが発展し続けている理由なのかなと想像しています。

働く人・お客様の立場に立って考え、行動することが、結果的にご自身の店舗経営の発展に大きく寄与している状況を見たとき、私は『情けは人の為ならず』ということわざを思い起こしました。

人との出会いに感謝

私はいまだにアルバイトとの兼業生活を続けていて(参考過去記事:「どうせ無理」を「だったらこうしてみたら」に変えよう!!)、いいかげん、そろそろ本業のみで食べていければとは思っていますが、もしすぐに本業が軌道に乗ってしまっていたとしたらA氏との出会いはなかったので、これも意味のあることなのかなと思っています。

精神論を説いているわけでもない、飲食店の一人のオーナーさんが苦労を重ねながらも愚痴も文句も泣き言も言わずに、愛と感謝に満ちた日々を送られているお姿を見て、自分はまだまだだなあと感じました。

関連記事

コメント

HTMLタグはご利用いただけません。

このサイトについて

元エホバの証人(JW)2世です。2000年に脱会することができました。
現在は保育関係の仕事をしながら、病気も経験しつつも心穏やかな日々を送っています。
どんな過去があっても人は幸せになれる、ということを伝えていきたい、そして子どもたちの人権を踏みにじる行為を防ぐ力となりたいと思っています。
当サイトが、ものみの塔からの脱会と脱会後の助けになりましたら幸いです。

スポンサーリンク

過去のブログ記事

サイト内検索