「ママの推しは教祖様」を読みました
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友人に勧められて、「ママの推しは教祖様」というコミックを読みました。
ご著者「しまだ」さんの母親がある宗教(宗教を特定できないよう詳細は変えてあるらしいですが、エホバの証人ではないようです)にのめり込み、家族が振り回される話でした。
画風が明るく、母親や宗教にツッコミを入れながら面白おかしく話が展開していくので、どんどん読み進めて行きましたが、最後の描き下ろしは急に画風が変わり、「実際はこうだったんだろうなあ…」と思わせるものでした。
新興宗教にはまって、何もかも宗教のフィルターを通してでしか物事を見ることができなくなり、話が通じなくなってしまう母をフラットな視線で見つめ続け、大人となった現在、そのような子ども時代と向き合った「しまだ」さん。暗い過去に引っ張られたくないし、全部ひっくるめたら「ハチャメチャ」の一言で済む話、と書かれていましたが、一番最後のページで胸が締め付けられました。
私は最初、無料のWEB版を試しに読んでみて、続きが気になったので本を購入しましたが、最後の描き下ろしあっての話だと思ったので、買って良かったです。
無料のWeb版はこちら。7~10話と12話以降は書籍かKindleにだけ収録されています。
「これこそが真実!」と心を揺さぶられて入信したり、心の安定を求めて入信したはずだったのに、周りを巻き込むようになり、なかなか宗教に興味を持たない娘に「目覚めてほしい!」と願い、果てには「教祖様」を否定する子どもに暴力…。
私が入信していた宗教と重なることが多々ありました。また、熱くなりすぎて周りの人に自分が良いと思ったものを強引に勧めるくだりなどは、身につまされました。
ご著者のツッコミが的を得ていて、共感できる場面が多くありましたが、特に下記の言葉が心に響きました。
いわゆる「人生の教科書」って人それぞれだ
誰だってリスペクトしてる人物の作品や言葉 思想の影響は受けるし 熱中しすぎて周りが見えなくなることだってよくある
ママはそれがたまたま宗教で…それがカルトだっただけ
何度も言うが宗教が悪いのではない
ただ「それひとつだけ」を完全に正しいと思い込み 盲目的になることが何よりも恐ろしいと…ママを見る度に思う
誰にでも、はまるものはあるし、好み、考え方は色々。時には意見の違いで議論になることだってある。でも、他の人の意見も聞けなかったり、自分とは違う価値観を認めないほど盲目的になってはいけないな、と思いました。
「しまだ」さんは、「せめて自分はそうならないように気をつけたい… ただただ平和に楽しいのが一番いいと私は思うなあ…」と書かれていました。
私も過去記事『私の好きな言葉「Respect for others」』でも書きました通り、人それぞれがお互いを尊重することが大事だと思います。
こちらの記事も是非読んでみてください。京都のお坊さんが日本人の宗教観と共に、人それぞれがお互いを尊重することが大事だと語っております。
最近、宗教体験に関するマンガが次々と出版されていますが、このようなマンガは他の宗教に入信されていた方の体験を知ることができるだけではなく、自分の考え方、言動を振り返ったり、過去と向き合うこと、これからを考えることにも役に立ってくれていると感じています。
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