体罰 – 絶対にすべきではない理由

ものみの塔は信者であるエホバの証人に対して、長年に渡り体罰を指示していました。しかし近年、体罰に関する研究が進み、その悪影響について明らかになってきています。

体罰をすべきでない理由その1…体罰は子どもの「生きる力」を奪う

体力が圧倒的に弱い子どもにとって、大人からの体罰は脅威となり、恐怖を植え付け親に対する信頼感を失わせます。

体罰を受けることを恐れて反射的に言動を選択するようになるため、子どもが自分で最善の方法をじっくり考えて選ぶことができなくなり、子どもが本来持っている「生きる力」を発揮できなくなってしまうのです。
体罰を受けると「自己評価が低下する」、「うつになりやすい」、「学校の成績が悪くなる」といったことも指摘されています。

最近、子どもの頃に3年以上に渡って年12回以上の頻度で、物で殴られるような強い体罰を受けた人と、体罰を受けていない人の脳画像を青年期になって比較するという研究が行なわれました。その結果、体罰を受けた人の脳画像は右内側前頭前野や左背外側前頭前野と呼ばれる部位などの灰白質が小さく、左背外側前頭前野が小さいほど知能検査の動作性IQが低かったそうです。(白尾直子著『児童精神科医ママの子どもの心を育てるコツBOOK』より)

私のどうしようもないほどのトロさ、不器用さ、納得です…。
白尾先生は同著で「前頭前野は認知機能や社会性と関連が深いので、幼少期に体罰を受けることで前頭前野の発達に遅れや乱れが生じ、こうした変化が子どもの状況判断や社会性の弱さにつながり、さらに体罰が生じやすくなるという悪循環ができてしまっているかもしれません」と述べています。

また、2002年、体罰を受けた3万6千人を対象にしたアメリカの調査では、体罰が、一時的には親の命令に従う「効用」がある一方で、長期的には①攻撃性が強くなる②反社会的行動に走る③精神疾患を発症する、などのマイナス面が見られることが判明したそうです。(参考:子どもすこやかサポートネット体罰の研究

コメント

“体罰 – 絶対にすべきではない理由” への4件のフィードバック

  1. Tのアバター
    T

    私はエホバの証人の二世として育てられた者です。今は断絶(エホバの証人の組織を抜けること)しています。
    当時、懲らしめという名の体罰は日常的でした。私の場合は王国会館(エホバの証人の集会場)ではなく、家庭で受けていました。懲らしめの鞭棒は各家庭でそれぞれ異なっていましたが、我が家の場合は竹製の箒でした。
    私には4歳年上の姉がいましたが、姉は、ほぼ毎日のように受けていました。ひどい時は朝と晩、一日に何回も受けていました。私は従順でしたので少なかったです。週に一回、悪くても二回ぐらいでした。
    その一回のうちに、複数回叩かれることがありますが、痛いのは最初の一回目だけです。二回めからはもう麻痺しているのでそんなに痛みは感じませんでした。最初の一回目は、気を失う一歩手前ぐらいの痛さでした。その後は、お風呂に入るのが痛くて辛かったです。
    痛みを和らげる方法がありました。鞭を受けるとき、違うことを考えるんです。楽しいことを考えることに慣れてくると、段々と痛みを感じないようになっていきます。
    自分自身が鞭を受けるよりも辛いことがあります。それは姉が鞭を受ける時、それを目の前で見なくてはいけないことです。目をそらしていると姉の鞭の回数が増えます。姉が受ける鞭を見るよりも、自分でその鞭を受けた方が100倍いいです。
    この懲らしめの鞭は組織的に行われたものです。王国会館(集会場)での話の中で、具体的な鞭の方法の話がありましたから。
    これは当時の二世では常識的に知っていることです。この話に誰も驚かないと思います。

    1. Maayaのアバター

      Tさん、コメントをありがとうございます。
      Tさんも大変お辛い目に遭われてきたのですね…。
      そしてTさんの行かれていた集会でも、具体的な鞭の方法の話がされていたんですね…。
      どうか体罰に関する正しい知識が広まり、このような悲劇がなくなることを願っています。

  2. 白の騎士団のアバター
    白の騎士団

    そうですよね。
    僕も子供の頃に鞭による懲らしめを受けました。
    我が家の場合は、電気コードを束ねてビニールテープで固めた物でした。
    しかも、単に固めるだけでなく捻って固めてあった為、痛みが倍増したのを覚えています。
    今思えば、おかしな話ですよね。
    子供は牛や馬じゃないんですから、叩いて教えるというのは間違ってますよね。
    鞭で打たれたくないから親の言うことをきく・・・
    これでは本末転倒ですね。
    エホバの証人では、昔本気で「鞭による権威」なんて事がものみの搭で扱われたり、度々紙面に出てきました。
    確かに、悪いことをしたら叱るのは当然ですが、なんで叱られたのか?これがなぜ悪いことなのか?を子供自身が理解するまで辛抱強く教えなければなりません。
    鞭による教えは手っ取り早いですが、それでは何の意味もありません。
    鞭で打たれる事によって、子供は親ではなく鞭を恐れる様になってしまいますからね。

    1. Maayaのアバター

      白の騎士団さん、コメントをありがとうございます。
      子ども時代、そのようなひどい目に遭われていたのですね…。
      どうか私たちのような虐待の被害者がこれ以上増えないことを願ってやみません。

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