カテゴリー: JWに関すること

  • エホバの証人問題が注目されているようです

    エホバの証人問題が注目されているようです

    先日、知人からエホバの証人問題が注目されてきていることを聞き、遅ればせながらニュースの特番で現役幹部の証言が放映されたことを知りました。

    また、「エホバの証人問題支援弁護団」が結成されたとの記事も拝見しました。

     

    この弁護団事務局のメンバーで、自らもエホバの2世信者だった田中広太郎弁護士のツイッターで知ったのですが、先ほど「エホバの証人問題支援弁護団」のホームページが開設されたそうです。

    今回のニュース特番では、田中弁護士のTwitterでも書かれているように、今まで全国版のメディアではなかなか言及されてこなかった「ムチ」の問題も取り上げられていたのが感慨深かったです。

     

    当サイトでも、ムチの忌まわしい記憶の体験談が多く掲載されている「エホバの証人2世の体験談」、輸血禁止についての「エホバの証人である母に輸血拒否されて殺されないために」や「エホバの証人は献血も禁止されていました」、忌避問題についての体験談「忌避問題~排斥された信者達の体験談」のアクセスが増えており、輸血禁止問題だけでなく、これまでメディアであまり取り上げられてこなかった「ムチ」や「忌避問題」にも世の中の関心が高まってきたのが感じられます。

    私自身は、現在は宗教問題とは距離を置いておりますが、有志の方々によるご尽力が功を奏しここまでエホバの証人問題が認知されてきたことに驚きました。その中には、このサイトを見て頂いたり、コメントを頂いた方々もいらっしゃるのかなぁと一人想像しています。

    ご活動くださっている弁護士や医師、弁理士の方々、また大変な状況の中、被害の声を上げてくださっている元エホバの証人の方々に心より感謝いたします。

  • 2021年5月10日(月)NHK総合「逆転人生」で「宗教2世 親に束縛された人生からの脱出」が放送されます

    2021年5月10日(月)NHK総合「逆転人生」で「宗教2世 親に束縛された人生からの脱出」が放送されます

    今年(2021年)5月10日(月)NHK総合「逆転人生」で「宗教2世 親に束縛された人生からの脱出」が放送されます。

    その放送で、「解毒」のご著者である坂根真実さんが出演されます。(坂根さんの、告知ブログ記事はこちらです)

    既にご存知の方も多いかとは思いますが、坂根さんご本人からご連絡を頂きましたので、私のサイトでもご紹介させていただきます。
    「逆転人生」公式サイトにはまだ未掲載ですが、あと一週間ほどで坂根さんの出演する回のデータが掲載される予定だそうです。

    このような全国放送で、宗教2世問題が扱われるようになってきたことは、大きな進歩だと感じます。
    同じ宗教2世として、実名で勇気ある発信をしてくださった坂根さんに感謝いたします。

    「解毒」をご紹介した過去記事はこちらです。

  • エホバの証人2世の問題を考える会(第三回)が開催されます

    エホバの証人2世の問題を考える会(第三回)が開催されます

    今年(2021年)4月24日土曜に「エホバの証人2世の問題を考える会(第三回)」がオンラインにて開催されます。
    私は現在は宗教問題とは距離を置いておりますため参加いたしませんが、エホバの証人2世問題にご興味がある方に有益かと思いますのでご紹介させていただきます。
    以下、主催者の「あとむ」さんよりいただいた案内状の転載です。「あとむ」さんのブログはこちらです。
    (2021年3月28日加筆:会の開始時間が変更されたとのご連絡を受けたため、修正いたしました。当初の予定より30分早まり19時30分開始となりました)

    第3回「エホバの証人2世問題を考える会」

    親がエホバの証人でつらい時期を過ごした方、過去の記憶や家族との関係などで苦しんだ方。過去を乗り越えてさらなる被害を防ぐために何か行動を起こしたいという方。集まって、何ができるかを一緒に考えてみませんか?

    2世である方をはじめ、様々な立場の方に参加頂き、エホバの証人2世の問題を共に考えようという企画です。

    第一回は2020年6月、第二回は2020年10月に行い、2世、元1世信者、弁護士、心理カウンセラー、ジャーナリストの方が参加し、過去の経験や現在の問題意識について意見交換を行いました。第二回では、より参加者同士のディスカッションも重視しました。第三回では、改めて原点に戻り、当事者を中心に情報交換、議論する会にできればと考えております。

    • 日時:2021年4月24日(土曜) 19時30分~
    • 場所:ZOOMオンライン開催 ※詳細はメールにて参加の連絡を頂いた方にお知らせします。

    議事進行(予定※変更の可能性あります)

    司会進行:あとむ、山口広弁護士

      1. 開会(主催者から会議趣旨紹介)
      2. エホバの証人2世、元信者の体験談
        • 「母親の期待に応えたかった(仮題)」
        • 「輸血~組織から離れて15年経っても輸血拒否した理由」
        • 「幼少期のトラウマとの闘い、母親と決別するまで」
        • 「元信者の母親の声~取り返しがつかないことを子供にしてしまった」 等
      3. 2世のコミュニティ紹介
        • 「オフ会」
        • 「SNS、ブログ」
      4. 休憩
      5. 他の宗教2世の事例について
      6. 宗教2世に対するカウンセリング
      7. 全体フリーディスカッション

      参加費

      無料(ご自身の回線契約の内容によって通信料が発生します)
      弁護士の方含め無償の協力によって成り立っていますので、ご理解のほどお願い致します。

      参加対象

      元2世、2世の問題に関心のある方

      参加方法

      参加希望の方は、4月10日までに、以下のメールアドレスまでお知らせください。(すぐにお返事できないことがありますのでご了承ください)

      • 連絡先メールアドレス:jw.kangaerukai@gmail.com
      • 件名:4月24日考える会参加希望
      • 本文:以下のアンケートへの回答を記入のうえ、ご連絡ください。
        • ニックネーム
        • 性別・年代(※無回答可)
        • ご自身の2世問題との関係、本イベントに興味を持った理由。250字以内程度(共有できる差し支えない範囲で教えてください。)
        • 禁止事項および留意事項を読み、了承する旨
      • 留意事項:

      アンケートに記載頂いた内容(連絡先や本名以外)は、スムーズな会議進行のため、参加者の間で共有させて頂くことがあります。差し支えのない範囲での記載をお願いします。

      会議の記録

      禁止事項

      • 直接参加の申し込みをしていない第三者を参加させること、会議のIDを共有すること
      • 参加者側での会議の撮影や録音
      • 他の参加者の発言や情報を無断で他の人に話すこと、SNS上で公開すること
      • 特定の団体や宗教の宣伝を行うこと
      • その他、会の進行を妨げるような行為、他の参加者を害するような行為

      ※守られない場合は主催者の判断で退出して頂くこともあります。


      厳しい状況が続いておりますが、皆様の健康と安全を願っております。会にてお会いできるのを楽しみにしております。

  • 【記録】エホバの証人(JW)2世問題を考える会 第二回

    【記録】エホバの証人(JW)2世問題を考える会 第二回

    2020年10月10日に、エホバの証人(JW)2世問題を考える会 第二回が開催されました。
    主催者の「あとむ」さんから会の記録をいただき、当サイトへの掲載をご依頼いただきましたので一部見出し等の編集を加えてご紹介致します。


    ■日時:
    2020年10月10日(土)午後2時00分~4時30分
    ■開催方法:
    オンライン(ZOOMアプリケーション)
    ■企画者:
    あとむ(JW2世、30代男性)
    ■参加者:計15名
    ・弁護士:山口広氏(東京共同法律事務所)・河潤美氏(東京共同法律事務所)
    ・齋藤篤牧師(日本キリスト教団深沢教会)
    ・JW2世・元信者(原則仮名):
    ケイコさん(2世、40代女性)・Hさん(2世、30代女性)・ぴーちゃんさん(元信者、50代女性)・大道寺さん(2世、40代男性)・としきさん(2世、40代男性)・はじめまことさん(2世、30代男性)・齋藤朗子牧師(2世、女性)
    ・藤倉善郎氏(やや日刊カルト新聞主宰)・鈴木エイト氏(やや日刊カルト新聞主筆)・
    藤田庄市氏(ジャーナリスト)
    ・馬場健一氏(カウンセラー、りんどう相談室)

    以下記録(一部敬称略)

    開会(主催者から会議趣旨説明)

    あとむ:自身の幼少時の虐待経験や社会への認知活動を始めた経緯、これまでの活動の経過(2019年10月に教団及び文部科学省文化庁へ通知書を送付、2020年6月に考える会開催)を説明。

    2世の苦しみの実態を知りつつ、具体的な活動につなげていきたい。目的としては、エホバの証人2世、カルト宗教2世の問題を社会に認知すること。それが被害の拡大防止、そして、現在過去苦しんだ人にとっても、今まで答えが出なかったことに対する答えになると信じている。

    参加者紹介

    河弁護士:山口弁護士と同じ事務所で働いている1年目の弁護士。宗教問題は勉強中だが今日の話を参考にしたい。

    斎藤牧師:元1世信者で、現在キリスト教会の牧師をやっている。今日は楽しみにしてきた。

    大道寺:一回目から参加している。宗教問題に強い関心を持っている。

    藤倉:「やや日刊カルト新聞」というサイトを主宰している。生きづらさのような中長期的な問題だけでなく、生活の困窮のような緊急の課題も2世問題にはあると思っている。
    (事前アンケートから: 2世をめぐる課題は、過去の経験からくる生きづらさなど問題のほか、家族との断絶や貧困など精神的問題とは別に緊急のサポートを要するケースも多々あるように思います。それでいてカウンセリングや福祉分野の専門家、行政による対応は十分とは言えず、社会的理解も全く足りていません。その中で、より多く、問題の実情に触れ、自分自身の情報発信や相談対応を拡大していく上で、今回の会は非常に有意義だと思いました)

    H:典型的なJW2世。あとむさんの志やこの会の趣旨に強く賛同している。

    ぴーちゃん:元1世。実際に集会でムチに連れていかれる子供を見て、悲惨さを知っている。自分の知っていることを発信するためにブログを書いている。あとむさんとムチ問題に関してやり取りしている中で興味を持った。

    ケイコ:2世で中学生のときに離れた。輸血経験があり、信仰から離れた後だったが輸血拒否をしたことがある。
    (事前アンケートから: 輸血が必要となった時、中1で教団から離れたので全く輸血を拒否する立場でも無かったのですが、自ら一度は輸血は「出来ません」と拒否しました。医師に説得されて輸血を受けました。組織への忠節ではなく、熱心に信仰している母を守りたいという気持ちだったと思います。母の組織での立場が脅かされることを恐れました。しかし、わたしのこの気持ちは話さなかったので母はわたしが信仰を守ろうと命を懸けたと思った様です。JWが嘘だと確信したとき、崖から突き落とされるような感覚を味わいました。2世としての運命を、冷やかしや攻撃ではなく話せる場があったらうれしいなと思っていました)

    はじめ:2世で兄たちは現役信者。開拓者を4年程した後に間違いに気づき、離れて断絶している。両親は断絶後にショックを受けて心身共に体調を崩している。両親との連絡は限られている。2世問題に関してアクションプランを持って実行したい。

    藤田:カルト問題を柱に宗教取材を40年やっている。JW2世にも何人か取材した。経験を聞いて絶句するようなことがあった。問題が複雑で広げないといけないと思っている。

    馬場:心の相談室「りんどう」を開催して7年やっている。カルト問題といえば、カルトを脱会させたいという親御さんからの相談が多かった。2世問題は難易度が高く積極的には相談対象としてこなかったが、今後相談があったときにしっかり相談に乗れるように、勉強させて頂きたい。

    山口:後ほど意見を色々述べさせていただく。
    (あとむ注:弁護士として、有名なカルト教団と真正面から闘ってこられました。昨年私が頼らせて頂いたときも真摯に話を聞いてくださり、文部科学省や教団への通知書も私の代理で送ってくださいました。先日は弁護士連合会の会合に私を呼んで弁護士さんたちの前で自分の経験を話す機会をくださいました)

    鈴木:2018年にAERAという雑誌でエホバの2世と統一教会の2世の方へのインタビュー記事を掲載した。2世問題は訴訟とか弁護士が絡むのが難しいが、そのあたりを話したい。また、先日の弁連集会であとむさんが憲法20条の「信教の自由」の侵害という話をしていたのが気になっている。憲法学者で信教の自由の中に親の教育権があるという解釈をしているものもある。
    (※AERA 2018年6月11日号 https://dot.asahi.com/aera/2018062200023.html

    としき:JW2世。両親や親族が現役。自身はベテルにいたこともある。元JWのためのオフ会を開催し、延べ2000名以上と会っている。2年前に元JWのための会社を設立した。皆さんの思いや意見を聞きたいと思っている。

    齋藤(朗):JW2世。夫とともに教会の牧師をしている。小学1年くらいから中学3年まで、脅されつつ活動に参加していたが、その後信仰を拒否した。神の存在を意識せずに生きることはできないと思い、自分にとっての神を探して現在に至る。

    テーマ別トーク


    ① JW2世の経験、苦しみ、望んでいること(はじめまことさん、Hさん)

    はじめ
    アニメや漫画の禁止で友人と同じことができなかったことが心の傷になっている。大人になってからゲーム依存症になった。

    清い組織であるはずの中でどろどろした人間関係に疑問。母が長老に疑問を呈したときに報復され罰を与えられたことがショックで、アメブロで同じ経験がある人がいないか検索したのが間違いに気づいたきっかけ。

    一般常識を知らない中で社会生活をするのが難しかった。今まで生きてきた世界が騙されていたもので、核となるものがないと感じた。カルト被害者への偏見はつらかった。断絶してからの家族関係もつらい。長老たちから脅しも受けたので組織の怖さを感じた。

    望んでいることは被害者の声をマスコミの方に認知して拡散して、こういう被害者がいると知ってもらいたい、被害にあった人が自分の生活を取り戻せるようになってほしい。自分もできることをしたい。


    JW2世として何千回もムチを当てられた。自然消滅して長い。父親が反対者でネグレクトを受け、食べ物が与えられず経済的に苦しんだ。教科書を風呂場に入れられたことも。母親は依存体質で子供に嫉妬する。いわゆる毒親。カルトにはまった原因は夫婦仲の悪さだと思っている。問題点は以下の通り。

    • 復活信仰による死への意識が希薄のため人生設計が遅れた。時間を無駄にしてきてしまった、取り返しがつかない。今からやればいいじゃないと言われるが、そういう問題ではない。
    • 怒りの感情に影響されて人生を楽しめていない 選択の余地がなかった。失敗する経験も重要な選択だが、それができず、自尊心が低い、判断能力が低いと感じる。一般の人からわかってもらえない、甘えていると思われる。就職でも親が過干渉で影響を受けた。
    • 不幸の意識、自尊心のなさ。例えばTVで幸せな映像を見ると疎外感を感じる。自分には手が届かないと言われているような気持になる。自己犠牲、不幸をかぶろうとするバイアスを教えられている。

    ② 宗教家から見たJW2世問題(齋藤牧師)

    宗教そのものが2世問題を作りやすいものだということは申し上げたい。JWのように一般的に問題になっている団体だけではなく、自分が働いている教会でも2世問題が生じていると感じることがある。

    支配する側と支配される側の関係性としての親子の関係におけるゆがみ。それが2世問題を生じている。親自身も家族の他のメンバーから支配を受けていたりするが、そのしわ寄せが一番立場の弱い子供にくるため、二重三重に影響を受ける。

    人間とは支配したくなる存在である。宗教に携わるものとして、誰にも起こりうることとして、自分の問題としてとらえていきたい。教会にはJWに似たような環境があると感じ、自戒を込めて自覚していきたい。

    ③ ジャーナリストから見たJW2世問題(藤田氏、藤倉氏、エイト氏)

    あとむ:藤田氏は20年も前から「スピリチュアルアビュース」という言葉を使って2世問題を取り上げてこられた。JW2世問題に向き合ったきっかけや取材を通して感じたことを話して頂きたい。

    藤田:スピリチュアルアビュースはカルトの本質。生まれてから、子供の時から精神的虐待を受けると、もう立ち上がれない。大変な問題だと思っている。当時そういう発表はなかった。統一教会の2世も同じ問題がある。憲法学で信教の自由の中に親の教育権があるという解釈もあるが、それを当てはめられたらたまったものではない。今後そういう考えを修正していく力にもなると思っている。

    藤倉:10数年カルト問題を扱っており、JW2世の取材をしたこともあるが、2世問題の中でJWはかなりひどい、極端なケースが多い。メディアで2世問題が報道されるときはJWが中心。2世問題は他の宗教と共通するものもあり、整理して世の中に発信していくことが今後重要になる。2世の方自身が自己認識を整理して一般に示していくと良いと思っている。

    鈴木:親の宗教に子どもを入信させることは道義上問題だが憲法上は守られている権利になっている。あとむさんが親に謝罪を求めているが、その法的根拠をどう考えているのか知りたい。問題に比して話題がまだ盛り上がっていない。何か提言したい。政治に利用される従順な2世の問題などもある。

    ④ 心理カウンセラーから見たJW2世問題(馬場氏)

    カウンセリングの基本として、一律にこうだと言い切ることはできない。個別に事情は異なり、人によってきめ細かくすることが大事。毒親の問題は相談事例として多い。2世のカウンセリングに関してはしっかり勉強して対応していきたい。

    ⑤ 法律家から見たカルトとJW2世問題(山口弁護士)

    親がわが子を自分の信念に沿って育てることはできる。法律問題というより家庭問題の側面が強い。ただしあとむさんの場合は、親が暴力を振るうとか、子どもの運動会の種目への参加や校歌斉唱を禁止するといった事例があり、それはどうなのかと思う。時代の流れとして、子供を棒で叩いて無理やりさせるというのは虐待として許されないことは明白。現在JWがどう指導しているのか知りたい。

    悩ましいが、あとむさんからの相談については、暴力と活動への無理強いについては母親は謝罪すべきだと思った。母親の謝罪は正面からのものではなかった。教団本部からは返事がなかった。文化庁宗務課は役所でそういうことには答えない。

    母親に対する損害賠償請求は難しい。一つは時効の問題。それで裁判は無理だと判断し別の活動になっている。

    あとむ:法的に問題にすることは難しいということは認識しているが、今後の法制化には期待するところもある。憲法は国家に対する法律であるが、子どもたちがこれだけ危機にさらされているという状態を放置していることに対する問題提起をしていければ。現にオーストラリアの首相が国会で、JW内で子どもが児童性的虐待の標的になっていたことを国家が放置していたことを謝罪したこともある。法律がすぐ動くわけではないので、社会に対する認知がスタートだと考える。

    ⑥ 最近のJWの動向(はじめさん)

    ネットの利用、集会や伝道活動の方法が変わっている。コロナによりJW一部信者にとってはストレスフリーになっている現象(一般社会では逆なのに)
    11月の手紙キャンペーンは大統領選にぶつけている。この情報をマスコミを通じて行政府に知らせるのはどうか。JWは同調圧力でコントロールしてきたが、疑問を考える時間ができ、マインドコントロールが解除されやすい良いタイミングだと考える。

    ⑦ JW元信者のコミュニティについて(としきさん)

    2000年からオフ会を開催している、延べ2500名参加している。30、40代の方がメインだが幅広い。1世、2世、3世。
    目的は、情報収集(やめる前後にどうしたらよいのか)がメイン、あとは相談や友達探し、同窓会に似たような感覚。最初は30名くらいだったが、近年は100名以上が参加。

    まずは目先の問題である仕事、住むところの確保といったものが大事。法整備が今後あれば良い。会費は経費をみんなで負担するためで営利目的ではない。外部への認知アピールも進めており、メディアの取材を受けたり、研究者の研究材料にもしてもらっている。番組になる可能性もある。

    グループディスカッション~2世問題とは何か、各グループからの発表

    グループA(発表内容)

    何が問題なのかから広げて、どんなニーズがあるかのディスカッションを行った。
    現実問題として脱会後の生活の立て直しが必要、貧困問題もある。近年JW2世がメディアで取り上げられているが、コンテンツとして消費されている側面があり、そこで終わらせてはならず、今後先に進める時期にきている。行政機関に対するアピール。

    こういう場に出れる人はある程度恵まれている人もいる。出てこれない人に対する支援、アプローチが必要。ノウハウをためて具体的に動かしていきましょう。

    グループB(発表内容)

    心のケアでカウンセラーに求められることは何か、ニーズに注目した。
    心の整理をするために、否定せずに受け止めてまず話を聞いてほしい。それができないと、親に対する憎しみを手放すこと、親がなぜそうした行為をしたのかを客観的に見るということができない。客観的に見れるように飛び越えるのが難しい。自助グループも似た役割を持っているが当事者がやっているので、人によって違う事情を総合的にサポートできるカウンセラーの立場は重要。

    グループC

    齋藤: 経験を今後何かで役立てたい。親のキャラクターによって違うところもあるが、2世問題は一定のパターン化しているところがある。JWに対して児童虐待防止法の効力はあるのか。

    山口: 問題化すれば社会的批判は免れず、政府としても対応を求められるかもしれない。セクハラ・パワハラも以前は法的には問題ではなかった。

    鈴木: 目に見える虐待は話題になりやすい一方で、2世問題は難しい。これも虐待なんだというのを発信できたら良い。

    あとむ: 日本でもつい昨日、宗教内での性的虐待がニュースになったりしている。統一教会2世の渡辺さんのように、子どもが声を上げた時に大人が耳を傾けられる環境を作らなくてはならない。

    山口: 時代は変わって問題になりやすくはなっている。メディアでも次第に取り上げられている。

    鈴木: AERAの記事は2世問題の周知として考えたもの。バランスが取れている方が取材対象だったので取り上げやすかった。編集長が変わって方針が変わり、終わってしまったが。

    全体ディスカッション~社会への認知のために

    統一教会2世の渡辺さんの取り組みを紹介

    200名以上へのアンケートを通じて何で2世が苦しんでいるのかの問題を整理し、今後の必要な支援についても提言している。藤田さんも記事で取り上げておられ、社会への認知に役立てられている。脱会後の苦しみが強いのがJWの特徴でそれがアンケートに出ている。

    あとむの活動計画説明

    あとむ:1人でできることはほとんどなく、いろんな人を巻き込んでやっていく。
    考える会は定期的に開催することで、活動の方向性を決めていく。その運営や各活動の実行を中心メンバーが事務局としてやっていく。被害の実態を把握するために全国的にアンケート実施、証拠の収集を行う。これらに基づいて行政庁に通知書送付、メディアに対する発信を行う。

    藤倉:この規模と視野の広さを発揮するためには、準備会という形にして、初期から他の教団出身の方にも参加してもらい、横断的に始めるのはどうか。

    ぴーたん:証拠の収集に関しては早く動いたほうが良い。

    大道寺:2世問題は幅広く、あまり広げすぎるとゴールが不明確になる恐れがある。ゴールは明確にしたほうが良い。準備会でコアなメンバーで集まって動かしていくのが良い。

    あとむ:JW2世をメインストリームとする姿勢は維持しつつ、他の宗教2世とも連携をしていきたい。

    【閉会】

    会議後アンケート結果

    質問:会はいかがでしたか?

    質問:2世問題の作業部会や事務局を作るとしたら参加したいですか?

    今後の予定

    事務局準備のための会合 キックオフを11月初旬に一度開催

    次回の「考える会」開催予定:2021年2月20日(土)
    ※近くなったら改めてご案内します

    以上

  • エホバの証人2世の問題を考える会(第二回)が開催されます

    エホバの証人2世の問題を考える会(第二回)が開催されます

    今年(2020年)10月10日土曜に「エホバの証人2世の問題を考える会(第二回)」がオンラインにて開催されます。

    私は現在は宗教問題とは距離を置いておりますため参加いたしませんが、当サイトにて長くやり取りをさせていただいております、SAKURAさんよりご連絡いただきましたので、告知させていただきます。

    以下、案内状の転載です。
    SAKURAさんは「あとむ」さんというお名前で参加されます。
    SAKURAさんは、「あとむ」さんというお名前でブログも綴られています。ブログはこちらです。

     

    エホバの証人2世の問題を考える会(第二回)
    ~子どもたちを救うためにできること~

    親がエホバの証人でつらい時期を過ごした方、過去の記憶や家族との関係などで苦しんだ方。過去を乗り越えてさらなる被害を防ぐために何か行動を起こしたいという方。集まって、何ができるかを一緒に考えてみませんか?

    統一教会などのカルト問題に関する書籍執筆やメディア出演経験のある東京共同法律事務所の山口広弁護士、牧師としてエホバの証人問題に向き合っている深沢教会の斎藤牧師にも参加頂き、様々な立場から、エホバの証人2世の問題にどう取り組めるのか、を共に考えようという企画です。

    第一回は2020年6月に行い、元2世6名を含む計9名が参加し、過去の経験や現在の問題意識について意見交換を行いました。弁護士の先生におかれてもエホバの証人問題の実態について理解を深めて頂くことができました。第二回では、より参加者同士のディスカッションを重視し、具体的な行動につながる会にしていきたいと思います。第一回に参加されなかった方ももちろん参加可能です。

    Ø 日時:2020年10月10日(土曜) 14時00分~16時00分

    Ø 場所:ZOOMオンライン開催

    ※詳細はメールにて参加の連絡を頂いた方にお知らせします。

    Ø 議事進行(予定):

    14:00  開会(主催者から会議趣旨紹介、参加者自己紹介)・・・・・・・・・・・・・・10分

    14:10 「カルト被害とは、そしてエホバの証人2世の事例を目にして(仮)」山口弁護士・10分

    14:20 グループディスカッション(1)2世問題とは何か・・・・・・・・・・・・・・・30分

    14:50 「宗教家から見たエホバの証人2世問題(仮)」齋藤牧師・・・・・・・・・・・・10分

    15:00 グループディスカッション(2)社会への認知のためにできること・・・・・・・・30分

    15:30 「2世問題啓蒙のための今後の計画(仮)」あとむ・・・・・・・・・・・・・・・・5分

    15:35 全体フリーディスカッション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20分

    15:55 参加者から一言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5分

    16:00 閉会/歓談タイム(閉会後20分~30分程度あけておきます)

    Ø 参加費:無料(ご自身の回線契約の内容によって通信料が発生します)

    弁護士の方含め無償の協力によって成り立っていますので、ご理解のほどお願い致します。

    Ø 参加対象:元2世、2世の問題に関心のある方

    Ø 参加方法:

    参加希望の方は、10月3日までに、以下のメールアドレスまでお知らせください。

    ・連絡先メールアドレス:jw.kangaerukai@gmail.com

    ・件名:2020年10月10日考える会参加希望

    ・本文:以下のアンケートへの回答を記入のうえ、ご連絡ください。

    〇ニックネーム 〇性別・年代 〇ご自身の2世問題との関係、本イベントに興味を持った理由(他の方に共有できる差し支えない範囲で詳しく背景を教えて頂けると助かります) 〇留意事項および禁止事項・ルールを了承する旨

    Ø 留意事項:

    ・アンケートに記載頂いた内容(連絡先や本名以外)は、スムーズな会議進行とグループディスカッションのため、参加者の間で共有させて頂きます。差し支えのない範囲での記載をお願いします。

    ・会議の内容は、個人の特定につながる可能性のある情報は除いたうえで、エホバの証人2世問題の啓蒙を目的として、あとむのブログやその他の媒体で公開させて頂くことがあります。どうしても公開を希望されない場合は事前に、または会議後翌日までにお知らせください。また、記録を取るため会の主催者側では録音をさせて頂きます。

    ・アクセスにあたっては事前に、ZOOMのホームページ(https://us04web.zoom.us/)から、お持ちの端末に「ミーティングクライアント」アプリケーションのダウンロード(無料)が必要となります。

    ・会開催にあたっての主催者の思いをこちらのページに掲載しておりますので、ご覧ください。

    「エホバの証人2世問題を考える会」主催者からのメッセージ

    ・子どもたちの被害を把握し社会に認知していくために、二世の方に対して、被害実態アンケートを行うことを考えており、会当日、アンケートの実施や方法、内容について、ご意見を賜れればと思っています。

    Ø 禁止事項・ルール

    ・直接参加の申し込みをしていない第三者を参加させること、会議のIDを共有することは禁止です。

    ・会議の撮影や録音は禁止です。他の参加者の発言や情報を無断で公開することも禁止です。

    ・会議中はZOOMアプリケーション内で「ビデオを開始する」をクリックして、ご自身の映像の共有をお願いいたします。席を離れるときなど一時的にオフにして頂くのはかまいません。

    ・グループディスカッションでは、参加者それぞれが発言できるように配慮をお願いします。各ディスカッション後に各グループの代表の方に発表をお願いします。

    ・相手の意見を頭ごなしに否定する、また、特定の団体や宗教の宣伝を行うことはしないでください。

    ・その他、会の進行を妨げるような行為、他の参加者を害するような行為はしないでください。

    ※主催者が判断した場合は、退出をお願いすることもあります。

    厳しい状況が続いておりますが、皆様の健康と安全を願っております。会にてお会いできるのを楽しみにしております。

    参加者紹介

    Ø 山口 広 弁護士

    第二東京弁護士会所属。全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長、元日弁連消費者問題対策委員会委員長。東京共同法律事務所所属。宗教法学会会員。宗教と社会学会会員。

    『検証・統一教会―霊感商法の実態』(緑風出版)、『カルト宗教のトラブル対策―日本と欧米の実情と取り組み』(教育史料出版会)等カルト宗教問題を扱った執筆多数。

    Ø 齋藤 篤 牧師

    日本キリスト教団深沢教会(東京都世田谷区)牧師。10~20代にかけてエホバの証人1世として活動。断絶後クリスチャンとして歩むようになり、2006年に牧師となって以来、静岡、ドイツの教会で働き、今日に至る。妻は元エホバの証人2世。脱エホバの証人後のプロセスにおける1世と2世の違いを実生活で経験しつつ、そのためになにをすることができるかを日々模索している。最近はエホバの証人2世問題こそがエホバの証人問題の中核であると確信し、講演や研修会の機会を持っている。

    Ø あとむ(司会進行)

    30代会社員。母親と姉2人が熱心なエホバの証人現役信者。5歳頃から教団活動への参加を強制され、抵抗したことにより母親から日常的に身体的虐待を受け、11歳頃まで教団活動に参加したトラウマ経験を持つ。自身が成長してからは頭ごなしに反対するのではなく、家族として母親との対話を繰り返してきたが、自身が受けた身体的虐待が広く行われていたこと、世界中で教団の指示により児童性的虐待が組織的に隠ぺいされてきた事実を認識。教団のネガティブな真実に一切耳を貸さず、家族の声よりも教団の指示を盲目的に優先する母親との決別を決意。山口弁護士の協力により、自らの経験の詳細とともに教団への改善申し入れや行政庁への報告を行っている。

  • 「エホバの証人2世問題を考える会」主催者からのメッセージ

    「エホバの証人2世問題を考える会」主催者からのメッセージ

    エホバの証人2世の問題を考える会(第一回)が開催されます の記事でご紹介した「エホバの証人2世問題を考える会」を主催されるSAKURAさんからメッセージを頂きましたので掲載します。(※ 第1回の6/6はコロナウィルス対策のためオンラインでの開催に変更になったようです。都合がつかなくて参加を断念された方も是非再検討いただければと思います。詳しくは上記の記事を参照ください)

    また、SAKURAさんが弁護士と相談し文化庁と教団に対して、もうこれ以上子供たちを傷つけないでほしいとの改善の申し入れを行った際に、虐待の事実を文化庁へ報告した「報告書」を以下のエホバの証人2世の体験談として掲載しましたので、併せてご覧ください。

    「エホバの証人2世問題を考える会」主催者からのメッセージ

    あとむ(仮名)です。真彩さんのページではSAKURAというニックネームでコメントさせて頂いていました。母親と姉がエホバの証人の信者です。幼い頃には私も宗教活動を強制され、母親からエホバの証人の教義に基づいた体罰を受けていました。

    幼い頃の記憶がトラウマとなり苦しんで生きてきましたが、一方で成長してからは、過去のことはなるべく忘れることで表面的には普通の暮らしをしてきました。母とは宗教の話さえしなければという条件付きですが、普通の親子のような会話をすることもできました。しかし夜眠れなかったり、精神的に不安定なところがあったり、何事もないかのようにふるまい続けるのが非常に苦しかったです。

    次第に自分が過去に受けた経験と同じ経験をしている人が多くいることを知るようになり、自分が過去と思っていたことがまさに「現在」であることを知り、自分がしっかり生きていくためには過去に向き合わなくてはと思うようになりました。私は母親に過去と現在の話を真剣に伝えることにしました。想像はしていたことですが、母はそんな私と話したくないと言い、拒否しました。母は親子のように接するのは「宗教の話はしないこと(つまり否定するようなことを言わないこと)」が条件だと私に言いました。私は、もうこれ以上はできないと言いました。私にとってそれは、誰かが家に火をつけているのを見ながら黙っているのと同じです。母は電話しても出なくなりました。

    私は弁護士の先生の理解と協力を得て、母親に謝罪を求めて交渉を続けてきましたが、限定的な謝罪のみであったことから、2019年10月に文部科学省文化庁と教団に対して改善の申し入れを行いました。そして同時に、母に対しては謝罪と損害賠償を求めました。母の返事には「一部やり方が悪かったかもしれないがそんなにひどいことはしていない。(私が)お金に困っていないなら払うつもりもない」という趣旨のことが繰り返し書かれていました。弁護士さんと相談の上、弁護士さんの知り合いの牧師さんの協力も得て、先日真彩さんのページでご紹介した「エホバの証人2世問題を考える会」を開催することにしました。

    文部科学省文化庁と教団に対して弁護士を通じて申し入れをした際に添付した報告書も、真彩さんのご厚意により紹介させて頂くことにしました。私はホームページなどは持っていないし情報発信は苦手なので本当に助かります。それに真彩さんは信頼できる方だと思っています。

    弁護士さんによると、母が幼い私にしたことは明らかに不法な虐待行為にあたります。ただし、一般的には時効が成立しており、立件は難しいものです。もっと早くに声をあげていたら、と言われました。この事例で裁判で勝てることはないでしょう。それに私一人不幸だというくらいで誰も気にしないかもしれません。しかし、もし同じような経験をした方が何人も、もしかして何百人もいたらどうでしょうか。一生消えない傷を負っている方たちがたくさんいたら。

    そして何よりも、今この瞬間に同じような経験をしている子供たちがいたらどうでしょうか。親に連れられて伝道活動をしている子供たち、友達と遊べずに社会から隔絶された子供たち、精神的にも身体的にも追い詰められている子供たち。

    エホバの証人は、宗教活動への参加は子供たちの”自由意志”に委ねているといいます。しかし本当にそうでしょうか。そうなのかどうかを一般の方の目で確かめてもらいたいと思うのです。信者の子供たちが成長して”自由意志”で選ぶときには、選択肢は、組織の中で疑問を捨てて生きるか、組織を出て社会にも溶け込めずに孤独に生きるか、その二択しかないように思います。

    私は宗教の存在意義を否定しません。教団内だろうが教団外だろうが理不尽なことは世の中にたくさんあります。宗教でしか救済できない心もあるでしょう。宗教に入信することは自由で、きっと多くの人にとって必要なことでもあるのでしょう。しかし成長した大人が選んで入信したりやめたりするのと、子供のうちに情報を遮断されて死の脅迫を受けながら強制されて始めるのはあまりに大きな違いがあります。そしてエホバの証人の子供たちの多くは、自ら選んで活動を始めたわけではありません。

    また、正式に報じられているだけでも、世界中で性的虐待がこの教団組織内で蔓延し、しかも組織的に隠ぺいされている事実があります。オーストラリアでは1007人の児童性的虐待者が1件たりとも警察に通報されることなく教団内に匿われ、被害者が組織的に口止めをされていたことが明らかになっています。(報告書の中でも記述しています)

    一般の方が見たエホバの証人の子供は従順で素直で“良い子”に見えるかもしれません。でもその目の奥で本当は助けを求めているかもしれません。

    私の経験は決して例外ではなく、今からでも救わなくてはいけない子供たちがいるかもしれない、と私は考えています。

    被害者が声をあげるとき、非難されることもあるでしょう。「なぜもっと早く言わなかったんだ、なぜ今になって言うんだ」「嫌ならもっと早く逃げ出せばよかったのに」「全員が苦しんだわけではないだろう、それで幸せになった子供だっているだろう」「大げさに言っているんじゃないか」とかでしょうか。苦しんでいる人たちに言わないであげてほしいのですが、事情を全く知らない場合、こういった疑問を持つのも自然なのかもしれませんので、私なりに答えてみます。

    「なぜもっと早く言わなかったのか」
    この質問に答えることはとても難しいです。難しいということが答えにもなります。この質問をしてくる人はきっと、例えば10年前やもっと前に被害者が声をあげていたとしても、そのときも同じことを言われたでしょう、そして少なくとも私は答えられなかったでしょう。教団から出てバラ色の人生が待っているわけではありません。子供たちは教団外が怖ろしい世界だと教えられ、そこで人間関係を構築するのが困難になっています。それに加えて過去の経験がトラウマになり自殺願望がある子供たちもいます。生きていくためには過去を忘れることから始めなくてはなりません。

    「嫌ならもっと早く逃げ出せばよかったのに」
    嫌なときに逃げ出すことが許される健全な教育方法ならそもそも問題になりません。幼い子供は自分がされていることが悪いことなのかどうかすら最初はわかりません。それに児童相談所の存在なんて知りません。知ったとしても、目の前の唯一の大人である親を信用できない子供が親以外の大人に助けを求められません。最初に知った教えが教団の教えであれば、それをベースに考えるしかありません。そしてその教えが教団以外の情報を遮断するものだったら教団の教えがすべてになるのです。エホバの証人は子供たちに、教団外が悪魔に支配されていると教え、教団外の情報を得ること自体が死につながると教えています。私の場合、教団や母親に逆らうことは死を意味すると幼い頃から教えられていました。そして逃げ出せる年齢になった時には人生の選択肢は限られています。

    「全員が苦しんだわけではないだろう、それで幸せになった子供だっているだろう」
    幸せに生きている現信者の方、何のトラウマも持っていない元信者の方がいることを否定はしません。他の多くの宗教と同じようにエホバの証人の教義に助けられたという方もいることでしょう。全員が同じ経験をしているわけではなく、同じ経験をしても全く同じ心境になるわけではありません。虐待をされた子供の中に虐待がトラウマになっていない子供がいたとして、虐待が正当化されるわけではありません。

    「大げさに言っているんじゃないか」
    私のことは信用しなくてもかまいません。しかし同じ経験をしたという人が何人もいるならその声を聴いてあげてください。

    今も苦しんでいる方へ

    最後に、今も苦しんでいる方へ

    もし親にひどいことをされているなら、警察や児童相談所に相談してください。警察に相談することが難しければ私でもいいので、誰かに相談してください。

    過去のことで自分を責めてしまう方に無理に責めるなとは言いませんが、少しでも褒めることも考えてほしいです。この教団で幼少期を過ごされたならかなりの体験です。よく今生き延びてくれているな、すごいな、と私は思います。私は自分をほめるようにしています。よく生き延びたなと。この教団に関わってあなたが過去にしたこと、されたこと、現在苦しんでいることは、あなたのせいではありません。とにかく忘れたい、何も考えたくない、というときはぜひそうしてください。過去と向き合いたいと思ったときにそうすれば良いと思うのです。一番大事なことは人生をきちんと楽しむことです。もし会にご興味があればそこでお会いしましょう。

  • エホバの証人2世の問題を考える会(第一回)が開催されます

    エホバの証人2世の問題を考える会(第一回)が開催されます

    今年(2020年)6月6日土曜に「エホバの証人2世の問題を考える会(第一回)」が開催されます。

    私は現在は宗教問題とは距離を置いておりますため参加いたしませんが、当サイトにて長くやり取りをさせていただいております、SAKURAさんよりご連絡いただきましたので、告知させていただきます。以下、案内状の転載です。

    今回、SAKURAさんは「あとむ」さんというお名前で出席されます。


    エホバの証人2世の問題を考える会(第一回)

    親がエホバの証人で自分も活動に参加した経験がある方、今も苦しんでいる方。集まって、何ができるかを一緒に考えてみませんか?匿名(ニックネーム)での参加で OKです。

    統一教会などのカルト問題に関する書籍執筆やメディア出演経験のある山口広弁護士、自身も元信者であり現在牧師としてエホバの証人問題に向き合っている斎藤牧師、エホバの証人信者である母親の教育により幼少時のトラウマ経験を持つ会社員あとむ氏(仮名)。
    様々な立場から、エホバの証人の何が問題なのか、現在も問題はあるのか、そして今何ができるのか、を共に考えようという企画です。

    日時:2020年6月6日(土曜日)14時00分 ~ 15時30分
    場所:オンライン開催(詳細はメールにて参加の連絡を頂いた方にお知らせします)
    江東区文化センター 第 1 研修室(研修棟 3 階)
    〒135-0016 東京都江東区東陽 4-11-3

    第一回を上記日程で行います。関心のある方ならどなたでも参加自由です。ただし、自説に固執して止まない方、特定の宗教や団体の宣伝を行う方、会の情報を無断でネットに流すなどの迷惑行為を行う方は参加しないでください。(本イベントも特定の宗教や団体の宣伝や勧誘を行うものではありません)

    過去の愚痴を言い合ったり誹謗中傷を行ったりする会ではなく、現在の被害者を減らすために何ができるかを考える会です。

    参加希望の方は以下のメールアドレスまでお知らせください。

    • 連絡先メールアドレス:jw.kangaerukai@gmail.com
    • 件名:2020 年 6月 6日考える会参加希望
    • 本文:可能な限り、以下の項目を入れてご連絡ください。
      ニックネーム(必須)・性別・年代(10 代、40代、等)・本イベントに興味を持った理由

    ※ 上記情報はご本人の了承なく外部や他の参加者に開示することは絶対にございません。

    追記情報(2020年5月4日)
    ① 開催方法について
    緊急事態宣言が出された現在の状況の中で参加者の方の安全を優先するため、 6月6日の会を対面での開催ではなく、オンライン(ZOOM)で開催することに致しました。

    • お手持ちのパソコンやスマートフォンから参加が可能です。ご自身の回線契約の内容によって通信料が発生しますのでご注意ください。
    • 参加費は無料とします。弁護士の方含め無償の協力によって成り立っています。
    • 会議へのアクセスの詳細やパスワードは、メールで参加のご連絡を頂いた方のみにお送りします。詳細をご連絡するため、参加される方は5月29日までにご連絡をお願い致します。
    • アクセスにあたっては事前に、ZOOM のホームページ(https://us04web.zoom.us/)から、お持ちの端末に「ミーティングクライアント」アプリケーションのダウンロード(無料)が必要となります。余裕を持ってご準備ください。
    • 会議中は ZOOM アプリケーション内で「ビデオを開始する」をクリックするとお手元の端末のカメラからご自身の映像が他の参加者にも共有されます。差し支えなければクリックしてください。マスク姿等、顔を隠して参加することも可能です。顔を覆う場合、奇抜なもの、他の参加者に不快感を与えるようなものは避けてください。

    ※以前、任意でカンパのお願いをする可能性について言及しておりましたが、カンパは頂かないこととしました。

    ② 連絡先のメールアドレスについて
    主催者である私の誤りで、当初の案内に記載しておりましたメールアドレスが「.」 (ドット)とすべきところ「-」 (ハイフン)となっておりました。案内の記載は既に修正しておりますが、修正前のアドレスに連絡をされた方はお手数ですが、メールの再送をお願い致します。
    正しくは以下のアドレスです。ご不便とご迷惑をおかけし誠に申し訳ありません。
    jw.kangaerukai@gmail.com

    厳しい状況が続いておりますが、皆様の健康と安全を願っております。会にてお会いできるのを楽しみにしております。

    参加者紹介

    • 山口 広 弁護士
      第二東京弁護士会所属。全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長、元日弁連消費者問題対策委員会委員長。東京共同法律事務所所属。宗教法学会会員。宗教と社会学会会員。
      『検証・統一教会―霊感商法の実態』(緑風出版)、『カルト宗教のトラブル対策―日本と欧米の実情と取り組み』(教育史料出版会)等カルト宗教問題を扱った執筆多数。
    • 齋藤 篤 牧師
      日本キリスト教団深沢教会(東京都世田谷区)牧師。10~20 代にかけてエホバの証人1世として活動。断絶後クリスチャンとして歩むようになり、2006年に牧師となって以来、静岡、ドイツの教会で働き、今日に至る。妻は元エホバの証人2世。脱エホバの証人後のプロセスにおける 1 世と 2 世の違いを実生活で経験しつつ、そのためになにをすることができるかを日々模索している。最近はエホバの証人2世問題こそがエホバの証人問題の中核であると確信し、講演や研修会の機会を持っている。
    • あとむ(仮名)
      30 代会社員。母親と姉 2 人が熱心なエホバの証人現役信者。5 歳頃から教団活動への参加を強制され、抵抗したことにより母親から日常的に身体的虐待を受け、11 歳頃まで教団活動に参加したトラウマ経験を持つ。自身が成長してからは頭ごなしに反対するのではなく、家族として母親との対話を繰り返してきたが、自身が受けた身体的虐待が広く行われていたこと、世界中で教団の指示により児童性的虐待が組織的に隠ぺいされてきた事実を認識。
      教団のネガティブな真実に一切耳を貸さず、家族の声よりも教団の指示を盲目的に優先する母親との決別を決意。山口弁護士の協力により、自らの経験の詳細とともに教団への改善申し入れや行政庁への報告を行っている。

    SAKURAさんが弁護士と相談し文化庁と教団に対して、もうこれ以上子供たちを傷つけないでほしいとの改善の申し入れを行った際に、虐待の事実を文化庁へ報告した「報告書」を以下のエホバの証人2世の体験談として掲載しましたので、併せてご覧ください。

  • 脱会して今年で20年。未だに洗脳の影響で苦しんでいますが、夢に向かって進んでいます

    脱会して今年で20年。未だに洗脳の影響で苦しんでいますが、夢に向かって進んでいます

    今年でエホバの証人を辞めてから20年、エホバの証人の教えがおかしいことに気が付いてからは約30年が経過しました。

    最近は友人の勧めもあって、あちこち出かけてみたり、ユーチューブでAKB48や乃木坂46といったアイドルたちのダンスを見て「可愛いな~♡」と癒されたり、お笑いを観たり、これまで人のためばかりにお金や時間を使ってきたことを反省して、自分のために使うようにしたりして、かなり低空飛行から脱出してきました。

    それでも令和2年になっても、寝ている時には信者時代の記憶が蘇ってくることがあり、夢の中で迫害を受け拷問を受けて殺されるという場面が出てきて、心臓がバクバクしながら飛び起きたりしています。

    「自分たちだけが正しい。他の意見、考え方は間違っている」という教理もいまだに自分の言動に影響を及ぼすことがあり、最近も変な正義感から相手を攻撃してしまい、落ち込むこともありました。
    相手の方は非常に大人な方だったので、許してくれたので良かったのですが、まだまだエホバの証人の教理に支配されている自分にうんざりすることがあります。

    それでも、「自分の子ども時代のように、死なないように生きることが大変な子どもたちのための役に立ちたい」という思いはますます強くなり、温かい食事を必要としている子どもたちに、場合によっては無償で食事を提供することも可能な飲食店をやりたいという夢に向かって昨年から動き始めました。

    だれでも受講さえすれば取得できる「食品衛生責任者」の資格を取り、料理の練習をし、飲食店の会社で事務のアルバイトを始めました。

    料理はもともと好きですが、とにかくボーっとしているので、りんごを切っていただけで指先をほんの少しですが切り落としてしまったり、こんろに布巾がかかっていることに気が付かず火を付けてしまい、布巾を燃やしてしまったりと、事故が絶えません…(>_<)

    事務のアルバイトも、色々やらかしていて、会社の人の寿命を縮めている感じです。
    でも半年位経った今でもとりあえずクビにはならずに働かせていただいています。

    接客のほうも再びできるようになりたく、単発の仕事だったら何とかなりそうな気がしたので最近タイミーに登録しました。

    保育の仕事も続けていますが、年の離れた妹のお世話と保育の仕事を合わせて20年間位子どもたちを抱っこし続けた左腕は、昨年の秋頃から「胸郭出口症候群」になってしまい、あまり長時間抱っこをすることができなくなってしまいました。
    たまに右腕や脚もしびれるようになり、さらに最近は老眼も始まってしまい、色々とボロボロですが、たとえボロボロでも元気に働く私の姿を見てもらい、「あと一日だけ生きてみよう」と思っている子どもたちの生きる力になれたらと願っています。

    私は宗教問題を考え始めると落ち方がひどいため、これからは自分自身のためにも周りの人たちのためにも、宗教問題はあまり考えないようにしようと思っています。
    宗教に関係なく、今生きることが大変な子どもたちが、生きることをあきらめずに済むような温かい食堂、しかも利益を出しながら長く続けられる食堂をオープンさせる夢に向かってこれからも邁進していこうと思います。

  • エホバの証人は献血も禁止されていました

    エホバの証人は献血も禁止されていました

    献血しようと思いましたが、今のところ私には無理のようです

    いつか献血をしようと思い続けていて、今年に入ってから2回、献血ルームに行ってみたのですが、2回とも「血管が細いため、ちょっと厳しいですね。。。せっかく来ていただいたのにすみませんが今日はやめておきましょう」と断られてしまいました(>_<)体調を万全に整えてから行ったのですが、残念…。

    過去に輸血をしたことがある人や、一定期間内に特定の国に行ったことがある人、その他様々な条件に当てはまる人は献血できないようで、それらの条件はすべてクリアしていたのですが、まさか血管の細さで断られるとは思っていなかったので、びっくりしました。

    ちなみに私は血管が細いだけで、身体は健康的(?)な体形です…(^^;
    割とそういう方はいらっしゃるようで「時間帯や季節によっても変わってくるので、良かったらまたお越しください」と言われたので、期間をしばらく空けてから再チャレンジしようかなと思います。

    エホバの証人は献血も禁止されていたことを思い出しました

    ご存知の方も多いと思いますが、エホバの証人は輸血が禁止されています。
    もし教えに背いて輸血をした場合はその信者は「断絶した」とみなされ、信者たちから徹底的に無視をされ、ハルマゲドンで滅ぼされることになっています。

    先日、献血しようと出かけたけれどできなかった話を、エホバの証人とは無関係の友人に話したところ、「そういえばエホバの証人だった頃は献血も禁止されていたの?」と聞かれました。
    友人にそう聞かれて、そういえば献血はどうだったっけ?当然禁止のはずだけど、きちんと調べてから答えないと…と思って公式サイトを見てみました。

    サイトには「『血​を​避ける』こと​に​は,輸血​を​受け入れ​ない​こと​と,献血​し​たり​ 自己血​を​輸血​用​に​貯蔵​し​たり​し​ない​こと​も​含ま​れる,と​エホバ​の​証人​は​理解​し​て​い​ます。さらに,神​の​律法​に​対する​敬意​ゆえ​に,血液​の​四つ​の​主要​成分(赤血球,白血球,血小板,血漿)を​受け入れ​ませ​ん。」との記述があったので、献血も禁止されているようです。

    この教理についても教団は責任回避のためか、「禁止しています」とは書かずに「…と理解しています」という卑怯な書き方をしていました。

    私はものみの塔の教理にあまり興味がなかったため、献血が禁止事項にあったかどうかすっかり忘れていましたが、今回調べてみて、禁止されていることを確認しました。まあ、エホバの証人の禁止事項はローカルルールもあるため、あまりにも多すぎて覚えきれませんが。

    エホバの証人は「血液分画」を受け入れても問題ないようですが…

    教団の公式サイトでは、エホバの証人は「血液​分画」なら受け入れても問題ないと受け取れる書き方をしていました。そのため、血液分画を受け入れる信者さんもいるようです。

    そのことを友人に伝えたところ「それっておかしくない?もともと血液分画は、エホバの証人以外の方々が献血をしたことによって作られるものなのに。自分たちは献血はしないのに、恩恵だけにはあずかっているってことだよね?」と言われてしまいました。もっともな主張なので、私は何も言い返せませんでした。

    輸血拒否によってエホバの証人の子どもが亡くなってしまった大ちゃん事件については本を読んだことがあり、色々と思うところはありましたが、エホバの証人が献血をしないことについてはこれまで特に何も考えたことはありませんでした。
    しかし友人に指摘されて、「確かにもらえるものだけもらって、自分たちは一切提供しないというのは、おかしいよなあ…」と残念な気持ちになりました。

    ちなみに献血ルームのスタッフの方々はとても丁寧に対応をしてくださり、献血できなかった私にも最後まで笑顔で見送ってくださいました。
    献血ルームには複数の献血者の方々がいらっしゃったので、人々の善意によって多くの方の命が救われているんだなあとしみじみ思いました。

    大ちゃん事件について参考になるサイト:エホバの証人研究「輸血拒否 – 1985年大ちゃん事件

  • 新たにエホバの証人2世の方の体験談を掲載しました

    新たにエホバの証人2世の方の体験談を掲載しました

    元エホバの証人2世の信者の「ぴこタロス」さんから嬉しい体験談を「川島真彩からのメッセージ」のコメント欄にいただきましたので、ご本人のご了承を得て体験談のページに掲載させていただきました。

    ものみの塔からの脱会を果たし、幸せになられたご様子は、同じ元2世信者として本当に嬉しく思います。
    これからも、ものみの塔からの脱会を願う方々がご無事に脱会をされ、ご自身の心の声に合う人生を歩まれることを願っています。

  • エホバの証人時代、忌避をしてしまったことを後悔しています

    エホバの証人時代、忌避をしてしまったことを後悔しています

    以前、忌避の体験談のページにも書きましたが、私はエホバの証人だった子ども時代、教団の教えを守って忌避をしてしまいました。

    当時は子どもだったとはいえ、周りの信者たちの同調圧力に負けて忌避をしてしまったことを、今でもとても後悔しています。
    今回、なぜ私は子ども時代に忌避をしてしまったかについて振り返り、忌避に対して、今だったらどう対応するかについて考えてみました。

    エホバの証人の忌避制度における「排斥」「断絶」「背教者」

    エホバの証人の忌避制度について、先日放送された「 ザ!世界仰天ニュース」の「ある宗教2世の悩み」では触れられていませんでした。主人公の、いしいさやさんは忌避行為を受けていないようですので触れなかったのだと思いますが…
    しかし、エホバの証人問題を考える上で「忌避」は非常に重要かつ問題のある制度だと思います。

    忌避問題についての過去の記事

    信者たちが集まる集会で「○○さんはエホバの証人ではなくなりました」という発表のあった瞬間から、信者たち全員で徹底的にその人を無視、村八分にするという忌避制度を取っているエホバの証人の組織ですが、教団から離れた人全員が忌避されるわけではありません。

    バプテスマ(洗礼)を受ける前に教団から離れた人は、忌避の対象外です。バプテスマを受けてしまった信者でも、徐々に集会や奉仕(布教活動)への参加を減らし、組織からフェードアウトしていく方法(「不活発になる」「自然消滅をする」という言い方をします)を取れば、忌避されずに済みます(教理が変更になる可能性はありますので、現時点での状況です)。

    ただし、教団が定める「罪」を犯して除籍処分(「排斥」と言います)になった場合と、自分から「やめる」と宣言して「断絶」をした場合は忌避されます。また、私のように教団に楯突くようなことをしていると「背教者」として忌避されます。

    教団は、自分たちにとって不都合な情報が信者たちの耳に入らないようにするため、このように組織に対しての疑問を口に出してしまった人や組織の邪魔になりそうな人を排除する手段として、「援助する」「霊的健康を回復させる」ために積極的に近づき洗脳を強めようとしたり、それが無理そうな場合はそうした人を村八分にしています。

    忌避の現在

    「最近の教理はどうなのかな」と思って教団の公式サイトを見てみたところ、以下のような文が掲載されていました。

    悪行を悔い改めない人を会衆から排斥する必要がある場合,「[その人の名前]さんは,エホバの証人ではなくなりました」という短い発表がなされます。説明を加える必要はありません。会衆の忠実な成員たちはそれによって注意を喚起され,その人との交わりを絶つでしょう。

    (教団の公式サイトの「会衆の平和と清さを保つ」より引用)

    このように命令口調ではなく、まるで信者たちが自主的に交流を絶っているかのような書き方をしています。組織は指示は出していないと言い逃れができる、教団お得意の責任回避の文章パターンがここでも見られました。

    昨今、ものみの塔からの脱会者が増えている現状を考えると、忌避という幼稚な集団いじめ行為を信者たちに強制して情報統制をしないと、教団の存在がますます脅かされるという危機感から行っているのでしょうが、このような措置は決して許されない人権問題だと思います。

    現役の信者さんのブログを見てみたところ、現在も「親子でも本当の兄弟姉妹であっても、葬儀や結婚式には勿論主席できないし知らせもしない。親に介護が必要でも、世話をする事もされる事も出来ない。災害の安否確認、援助もダメ。とにかく、親子であろうが、友であろうが、同僚であろうが、徹底的に忌避」という状況だそうです。

    お互いに「兄弟」「姉妹」と呼び合っていた信者仲間をある日を境に徹底的に無視をするなどということは、自然の情愛を持った人ができることではないと思います。しかしとても悲しいことですが、実際にエホバの教えによって自然の情愛を奪われた「霊性の高い」(教団への忠実度の高い)信者たちが、良心の呵責を感じることなく忌避を行なっているため被害を受ける方々が後を絶ちません。

    なお、地域や家庭によって、また教団への忠実度によって忌避の程度は様々で、教理上は忌避の対象であっても、ある程度信者家族と交流をすることができている方もいらっしゃるようです。

    参考資料:エホバの証人の排斥システム

    エホバの証人だった子ども時代、なぜ私は忌避をしてしまったのか

    エホバの証人だった子ども時代、なぜ私は忌避をしてしまったのか、振り返ってみました。

    ある日の集会での発表以降、周りの信者たちが一斉に被害者家族を忌避し始めた際、私はエホバの組織に対して、またこのシステムに対して疑念を抱いていたにも関わらず、周りの信者たちと同様に忌避をしてしまいました。他の信者が見ていない時に、被害者家族に話しかけることすらしませんでした。「もし私がこのご家族に話しかけているところを他の信者に見られたら、母や組織の上層部に密告されるかもしれない」という恐怖があったからです。

    信者たちから徹底的に無視をされていたそのご家族のその後の消息は分かりませんが、どうか精神疾患を発症したり自死をしたりせずに生きながらえていらっしゃることをただ望むことしかできません。集団いじめ行為に加担してしまい、そのご家族に対して本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

    当時の私は「これは人として絶対にやってはいけないことだよなあ…」と思いながらも、「もし私だけがこの教理を破って、このご家族に話しかけたりしたら、今度は私が忌避をされるかもしれない」という恐怖心から、組織に逆らうことはできませんでした。これはいじめと同じ構造だと思います。「みんなと一緒になっていじめないと、今度は自分がいじめのターゲットになってしまう」という恐怖心です。

    その上、ハルマゲドンの恐怖を植え付けられていたので「この教えを破ったら、エホバに滅ぼされる」とも思ってしまい、この異常な教理を守っていました。

    当時の私には、エホバの証人を辞めることはできなかった

    当時の私には、エホバの証人を辞めることはできませんでした。
    「そんなに教団が嫌いなら、さっさと信者を辞めれば良かったのに。そうすれば忌避だってしなくて済んだだろうに…」と思う方もいるかもしれません。しかし、自分で働いて生きていくことができない子どもにとって、エホバの証人を辞めることは不可能でした。なぜなら「私がエホバの証人を辞めたら、母に育児放棄をされる」という恐怖心があったからです。

    実際、私が子どもの時、熱心なエホバの信者である母に対してあることで抗議をした時、母は荷物をまとめて、私以外の兄弟全員を連れて家を出て行きました。私が母たちを追いかけなかったので間もなく戻ってきましたが、「言うことをきかないと、見捨てるよ」という脅しとしては十分でした。

    エホバの証人の教えは「組織には絶対服従」「信者の子どもは、信者の親に対して絶対服従。ただし非信者の親(やその他すべての非信者)は悪魔サタンに影響されているので悪い影響を受けないように注意するように」といったものなので、そうした教理が染み付いていた母は、子どもが自分に逆らうとどういう目に遭うのか「懲らしめ」ようとしたのだと思います。

    生まれた時から信者の子どもとして育てられてきた私には、以下の過去記事に書いたように脱会が非常に難しい要因が他にもありました。


    次の記事では、私が今も現役であったら忌避に対してどう対応するか、またうちに信者さんが勧誘に来た際、非信者としてどのように忌避について信者さんに尋ねるのか、脱会した今のできる対応について考えてみようと思います。

  • 2/19(火) 「 ザ!世界仰天ニュース」で「ある宗教2世の悩み」が放送されます

    2/19(火) 「 ザ!世界仰天ニュース」で「ある宗教2世の悩み」が放送されます

    来週、2019年2月19日火曜に 、「日本テレビ」の番組「 ザ!世界仰天ニュース」(午後9時00分~10時54分放送)で、「ある宗教2世の悩み」と題して、エホバの証人2世の再現ドラマが放送されるようです。

    内容は以下のようです。


    ある宗教の信者である母親に育てられた娘。
    幼いうちから母親と一緒に、いくつものお宅を訪ね、布教活動を行っていた。
    その教えには、様々な制限があった。
    クラスで応援に参加することは禁止。校歌や国歌を歌うことも禁じられた。
    ずっと母親の言う通りに生活してきた娘だったが、次第にそれが苦しさに変わっていく。
    ほかの友人たちのように”普通のくらし”を手に入れたい…そう思った少女はある行動に出る。その時、母は…。
    番組公式ホームページより引用

    ホームページには宗教名は書かれておらず、恐らくテレビ放送でも出てこないと思いますが、上記のあらすじを見ると間違いなくこれはエホバの証人2世に関する再現ドラマだと思います。

    この娘さんがどのような行動に出たのか気になります。

    昨年は、グアテマラで布教活動をしていたエホバの証人2世の女性信者が殺傷されるという大変痛ましい事件が起きてしまいましたが、エホバの証人の信者の子どもとして生まれてしまった場合、どのような生活を送ることになるのかを多くの方々に知ってもらえるのではないかなと思っています。

    関連過去記事


    ※ 2019/02/20 追記
    番組公式ホームページにあらすじが公開されていましたのでご紹介します。

  • 初めてテレビドラマを観ました

    初めてテレビドラマを観ました

    人生で初めてテレビドラマを観ました。

    今年、人生で初めてテレビドラマを観ました。

    これまで映画はかなり観たことがありましたが、テレビドラマを観ようという気は全く起きず、テレビのチャンネルを変える際に視界に入る時などを除いて、自分の意志で選択して観たことはありませんでした。

    テレビドラマを観ることになったきっかけは、今年、私の勘違いと思い込みが激しいことを露呈する出来事が起きたことです。私は訳が分からず、「??」となっていました。友人が解説してくれても納得できず、とても落ち込んでいました。

    少し経ってから、私のことをよく理解してくれている友人から、一般的な感覚を知るためにテレビドラマを観ることを勧められました。今後の人生に役に立つかもしれないので、がんばって観てみるようにとアドバイスされました。

    テレビドラマを観る工夫

    思い返せば、これまでの人生の中で、テレビドラマを観ようと思ったことがありませんでした。

    私は、ものみの塔の教えによって、テレビドラマを観ることに対して罪悪感を持っていました。
    「サタンの考え方の影響を受けた人は,わたしたちの心を腐敗させるためにストーリーを使います」(エホバの証人の公式サイトより引用)といった内容を幼少期から繰り返し聞かされていたため、テレビドラマに対して悪いイメージを持っていたのと、昨年ひょんなことから数時間、海外のテレビドラマを観ることになったのですが(選択肢がそのドラマか、子ども向けのアニメしかなかったので、仕方なく観ました)、内容がドロドロしていたので、ドラマに対してますます悪いイメージを持つようになっていました。

    相貌失認の気がある上に忘れっぽい私には、長期間にわたって登場人物やストーリーを忘れることなく見続けなければいけないことはハードルが高かったのですが、「そうだ、番組にはホームページがあるのだから、登場人物の写真が載っているページを印刷して、その紙を見ながら番組を観ればいいんだ!ストーリーもネットで時々確認すればいいんだ!」と思い付き実行に移しました。

    またドラマを毎回見逃さずに視聴するのは難しいかもと思っていましたが、「録画してから観れる時に観ればいいんだ!そもそも、いつも他の番組も録画してから観ているんだし」と、録画してから観ることにしました。相変わらず気が付くのが遅いのです…。

    ドラマを最後まで観ることができたことで、少し自信につながりました

    上記の工夫の結果、ほぼ人生初の視聴となるテレビドラマ「この世界の片隅に」の最終回まで無事に観ることができ、内容も理解できたため、少し自信につながりました。それに、「なんで今までドラマを観なかったんだろう?」とドラマの魅力に気が付きました。

    私は友人から、かなり独特の感覚を持っていることを指摘されています。今回は起きたことの意味が分からず、「何で??」となっていたのですが、友人が解説してくれて数か月経ってから、ようやく自分に非があったことが分かりました。「確かに、一般的な感覚を知るためにはドラマを観たほうが良さそうだ」と思いました。

    これからはもっと積極的にテレビドラマを観て、一般的な感覚を知り、勘違いや思い込みを減らせるようにしていきたいと思います。
    といいつつ、これから観ようと思っている「下町ロケット」は登場人物が多すぎて、人物相関図のプリントを観ながら、「内容はすごく興味があるんだけど、これはちょっと厳しいかも…」と躊躇しているので、初回分から録画が溜まってきてしまっていますが…(^^;

  • 沖縄の郷土料理「チーイリチャー」(豚の血炒め)

    沖縄の郷土料理「チーイリチャー」(豚の血炒め)

    沖縄に住む友人から、「いつか沖縄に旅行することがあったら、絶対食べてほしい、めちゃくちゃ美味しい料理があるよ。それはチーイリチャーという郷土料理だよ」と教えてもらいました。

    沖縄の金武町(きんちょう)の伝統食「チーイリチャー」 visit kintownより

    チーイリチャーというのは、「血の炒め煮」という意味だそうで、それを聞いた時、私はドキッとしました。というのも、私がかつていたエホバの証人の教団では、「血を避けるように」との戒律があり、輸血することが禁止されており、血抜きのされていない肉を食べることも禁止されていたからです。

    例えば、クジラの肉は血抜きができないとのことで、食べることを禁止されていました。脱会してから相当の年月が経っても、何となくクジラの肉を食べることに抵抗があり、以前、居酒屋で友人がクジラの料理をオーダーした際には「私はパス」と言って食べなかったこともありました。

    それが、チーイリチャーは「血」そのものを調理しているというのです。

    チーイリチャーに使う冷凍されたキレイな赤紫色の豚の血 visit kintownより

    いかにチーイリチャーが美味しかったかを語る友人の話を聞いて、いまだに信者っぽい独特の感覚を持っていると友人たちから指摘されるし、そろそろ血の入った料理に挑戦してみるのもいいかもしれない。まずは美味しい料理から挑戦すれば、血の入っている料理に偏見を持つこともなくなるかもしれない、と思い始めました。

    友人がチーイリチャーを食べたのは、沖縄の金武(きん)という町にある、1966年創業の「久松食堂」という老舗の食堂だそうです。
    チーイリチャーには豚の血を使ったものとヤギの血を使ったものがあり、金武で主に食べられているのは豚の血の方だそうです。味だけでなく栄養面も良いようで、ネットで見つけた visit kintown というサイトに下記のような記述がありました。

    チーイリチャーは、滋養強壮の食べ物であり、栄養的にはタンパク質、鉄、銅、亜鉛など増血に必要なミネラルを多く含んでいます。ですから、貧血改善、貧血予防の食事として理想的な食事というわけです。また、肉から出る油もとてもいい油で、体の乾燥を防ぐ効果があります。

    (「visit kintown」より引用)

    でもよく考えたら、子ども時代も私がいた地域では、私を含め信者さんたちはレバーを食べていましたし、ネットで見つけたある元信者さんの体験談によると、ユッケや馬刺しも普通に食べていたとあったので、今さらそんなに気合いを入れて挑戦するほどのことではないのかもしれませんが…(^^; 私も、ユッケと馬刺しも大人になってから食べたことがありますし…。

    それでもやっぱり、いつかチーイリチャーをぜひ食べてみたいと思います。

    エホバの証人の幹部(統治体)の方々にはこのチーイリチャーを食べて美味しく感じて、早くあのばかばかしい輸血禁止の教えを廃止してほしいです。


  • TBSテレビ「あさチャン!」2018年11月7日放送のグアテマラでの事件報道について

    TBSテレビ「あさチャン!」2018年11月7日放送のグアテマラでの事件報道について

    グアテマラで布教活動をおこなっていたエホバの証人の信者が殺害された事件について

    毎週月曜から金曜の朝5:25から放送されているTBSテレビの番組「あさチャン!」で、本日、2018年11月7日水曜の放送で、上記のブログで紹介した、グアテマラで布教活動をしていたエホバの証人女性が殺傷された事件について取り上げられていました。

    同番組では約5分間、この事件について取り上げられていましたが、3年前に脱会した元信者さんとして、今年「カルト宗教信じてました。」を出版された「たもさん」さんがインタビューに応じていました。(番組内では、お名前は伏せられていました)

    番組が始まる数時間前に、「たもさん」さんがブログ記事にて「朝お時間あれば見てください」と告知してくださっていたので、私も観ることができたのですが、エホバの証人の海外の布教活動について「強制はされない。みんな自ら行っているんです」と答えた「たもさん」さんの言葉を聞いて、私は「あれ?本当は一番言いたいことはそこではないんじゃないのかな?言葉をカットされてしまったのかな?」と違和感を感じていたのですが、放送終了後にアップされた記事を見て、やはりそうだったんだと分かりました。

    この件に関する「たもさん」さんの記事はこちらです。

    また番組で「エホバの証人広報」のコメントとして流された全文は以下の通りです。

    「エホバの証人」は命の大切さと安全の重要性を高く評価しており、世界中どこでも個人として犯罪から身を守るために日々努力を払っています。何よりも被害者のご家族の上に慰めと支えがあるよう心から願っておりできるだけのことを行いたいと思っております。

    これまで組織は信者たちに、信者の子どもたちに対して虐待に相当することを行うよう指示を出してきました。また、性犯罪者を組織的に匿ったり、証拠隠滅をしてきていますので、上記の言葉には白々しさを感じました。

    (詳しくは過去記事「ものみの塔による子どもたちへの虐待・人権侵害について」をご参照ください。「ものみの塔」とはエホバの証人の宗教法人組織登録名です)

    また、これだけ凄惨な事件が起きても、エホバの証人側は公式サイトでも事件について触れていませんし、現役の信者さんの情報によると、信者さんたちの集まりでも取り上げられていないようです。(参考:『緊急速報』のレベルではないのかい?)やはり、エホバの教えは、人々の心から「自然の情愛」を奪うのだと改めて感じました。

    今回日本の地上波のニュース番組で、グアテマラで布教活動をしていたエホバの証人が殺害された事件が、宗教名を公表して取り上げられたことは、時代が変わってきたんだなと感じています。

    どうかものみの塔の被害者がこれ以上増えないことを願っています。

  • グアテマラで布教活動をおこなっていたエホバの証人の信者が殺害された事件について

    グアテマラで布教活動をおこなっていたエホバの証人の信者が殺害された事件について

    すでにご存知の方も多いと思いますが、今月4日、グアテマラで布教活動を行っていたエホバの証人の日本人の若い女性信者たちが襲われ1人が死亡、1人が大けがをして病院に入院して手当てを受けている、という報道がありました。
    元エホバの証人2世の私は、このニュースを知って複雑な気持ちになりました。


    すでに多くの方の注目を集めている同事件については様々な意見があるようですが、今回の事件の被害者の方々は本当に不幸だったと思います。

    「自己責任だ」という意見もあるかもしれませんが、もしも被害者のお二人が、私のような育てられ方をされたエホバの証人2世信者だったとしたら、「危険な地域では布教活動はしない」という判断を下すのは難しかったのではないかなと思います。

    私の場合は過去記事でも書きました通り、生まれた時にはすでに母が信者だったため、乳児の頃からエホバの証人の集会、大会、布教活動に参加させられており、家でも移動中の車内でも毎日のように宗教教育が行われていたため、「間もなく来るハルマゲドンでエホバの証人以外の人類はエホバによって抹殺される。人類を救うために布教活動をしなければいけない」という教えが染み込んでいました。

    子ども時代は、エホバの証人(ものみの塔)の教えを聞かされない日はほぼありませんでした。熱心なエホバの証人の子どもとして生まれてしまった私には、エホバの証人の教育を拒否、抵抗することは不可能でした。

    2000年に脱会に成功しましたが、脱会から18年が経過した現在でも、信者時代の考え方、恐怖心が残っており、エホバの証人問題を考え始めると、どうしても気持ちが落ち込んでしまいます。

    このホームページを運営し始めてからも、子ども時代の恐怖がよみがえり、悪夢で苦しむことがありました。教団によって苦しんでいる人たちの実情を知るほどに「エホバの証人の子どもたちを助けるために、どうして今まで行動を起こさなかったのか」と自分を責めてしまうため、ある幼馴染からは「もうホームページはやめてほしい。落ち方がひどいから見ていられない。一人の女性として普通の幸せを味わってほしい。心が強い人だったらできるかもしれないけど、真彩ちゃんの場合は弱すぎて無理だと思う」と言われたこともあるほどひどく落ち込んだこともありました。エホバの証人の教育は、親の洗脳度合いや子どもの性格などにもよりますが、それほどまでに強く長く影響を与えるものなのです。

    自分自身が体験してきたことから考えても、この事件の被害者がもしエホバの証人2世(または3世)だった場合は「自己責任」という言葉では済まされないのではないかと思います。

    特に、エホバの証人に指示を出す幹部たち(「統治体」と呼ばれています)は安全な場所にいながら、信者たちには「地の果てまで」布教をするように教え、危険地帯に行くことをもいとわない姿勢を称賛していることに疑問を感じます。

    例えば、エホバの証人の公式ホームページには「全世界で収穫を行なう福音宣明者たち」と題するページの中で下記のように書かれてます。(教団の公式ホームページですので、不快に感じる方はクリックしないことをお薦めします)

    人間の中で最も偉大な福音宣明者であったイエス・キリストは,1世紀に一つの組織を発足させ,その組織は「地の果てまで」福音を宣明しました。またイエスは,この時代においても同様の福音宣明の業がなされることをあらかじめ述べておられました。現在それを行なっている組織はエホバの証人で構成されており,エホバの証人は210の国や地域で急いで熱心に神の王国の良いたよりを宣べ伝えています。

    上記に続いて「エホバの証人の宣べ伝え教える業から益を受けた人たちを幾人か紹介しましょう」とメキシコ、インド、ベルギー、ポルトガル、タイで信者が布教活動を行った結果、現地で新たな信者を獲得したことが述べられています。

    また、ケニアで起きた出来事として、あるギャングの首領が裁判を待つため刑務所に監禁された時に、以前にエホバの証人が自分の家に何度も来たことを思い出しエホバの名前を呼んで祈り、自分の罪を認めたところ、比較的軽い刑を言い渡され、そのうちに突然刑期が半分に減り、釈放されてから信者になった、という話が載っていました。そのページの締めくくりの言葉は以下です。

    以上の例は,エホバの証人が「地の果てまで」福音を宣明する使命と責任をどのように果たしているかを示す,ごくわずかの例にすぎません。こうした経験は実際には無数にあるのです。では,エホバの証人が今日における真の福音宣明者であることをあなたは疑いますか。

    上記のように、エホバの証人の幹部たちは「自分たちは信者たちに強制はしていない、信者たちが個人的判断でやっているだけだ」と言い逃れができる書き方をしています。実際、今回の事件を受けてもこのような報道がなされています。

    2人が活動していた宗教団体の中米の担当者はNHKの取材に対し、「2人は3年前、グアテマラの人たちに聖書を知ってもらうためボランティアとして現地に住み始めた。2人とも自費で活動していた。悲惨な事件に巻き込まれたことが残念でならない」と答えています。

    (NHK NEWS WEB「20代日本人女性1人殺害 1人重傷 グアテマラ 家に強盗か」より引用)

    今回の事件で亡くなられた木本結梨香(キモト・ユリカ)さんは、教義上は「復活という希望がある。楽園で会える」ということになるのでしょうが、教団からすでに脱会した私としてはとてもいたたまれません。フルート奏者として将来があったとの情報も見ましたが、とても残念です。

    布教先のグアテマラで26歳という若さで命を落とした木本結梨香さんのご冥福をお祈りすると共に、大けがを負い入院をしているという茂呂澤(モロサワ)ちえさんの一刻も早いご回復をお祈り申し上げます。

    川島真彩

  • 9月29日㈯にAbemaTVに元エホバの証人2世の方が出演されます

    9月29日㈯にAbemaTVに元エホバの証人2世の方が出演されます

    今月29日土曜にAbemaTVに、元エホバの証人2世の方々が出演されます。
    2016年1月に手記『解毒』を出版された坂根真実さんと、今年5月にコミック『カルト宗教信じてました。』を出版された「たもさん」さんが出演されるそうです。
    すでにご存知の方も多いと思いますが、坂根さんご本人からご連絡をいただきましたので、こちらでもご紹介させていただきます。

    • 番組名: AbemaTV「Wの悲喜劇」 #54 ワタシ、自分を見失ってました
    • 司会者: SHELLYさん
    • 放送日: 9月29日(土)23~24時
    • 再放送: 9月30日(日)17~18時、26~27時(見逃しても一年間はバックナンバーに保管されるため視聴可能)

    視聴は以下より(アプリでも視聴できます)

    Wの悲喜劇

    上記、坂根真実さんと「たもさん」さんの告知記事を参考にさせていただきました。
    坂根さんの告知記事はこちらです。

    「たもさん」さんの告知記事はこちらです。

    (2018年9月12日加筆修正しました)

  • 子ども時代にやってみたかったことをしました

    子ども時代にやってみたかったことをしました

    エホバの証人だった子ども時代、私は自由にお菓子を作ることはできませんでした。教義でお菓子作りが禁止されていたわけではありません。

    信者同士のお茶会やお食事会(「交わり」と呼びます)の時に、各自が食事やおやつを持ち寄ったりしていたのですが、その際に信者たちは手作りのお菓子を持っていくこともありました。そのような時にはうちでも作ることを許されたのですが、信者が集う場に行くこと自体が憂鬱だった私は、「交わり」のために自分で作ったことがあるかどうか記憶がありません。

    うちの場合は、宗教活動とそのための行動(この場合は「交わり」のためのお菓子作り)以外のことをすると、「そんな無駄なことをして!もうすぐハルマゲドンが来るのに、そんなことやっている場合ではないでしょ!」となる(毎回ではありません。母の機嫌次第です)ので、様々なことに罪悪感を持つようになっていきました。

    交わり以外の機会に何度かお菓子を作ったことはありましたが、母は「お菓子は、作るよりも買ったほうが早い。その分奉仕(布教活動)に行ける」という方針だったため、母の怒りに触れないかびくびくしながら作っており、次第に「心臓に悪いのでやめよう」という結論に達してやめました。

    私は小学校の図書館で、「わかったさん」シリーズのお菓子の本を読んだりしながら、「いつか自由にお菓子を作れるようになったらいいなあ…。」と思っていました。

    最近、久しぶりにわかったさんの本を読んで、「そういえば、もう自由の身なんだし(気が付くの遅い!!)、子ども時代に作ってみたかったものを作ろう!」と思い立ち、クレープを作りました。クックパッドのレシピも参考にしながら、生地には豆乳を使ってみました♪
    中身は生クリームとバナナです。

    そういえば、屋台のクレープを買ってもらうのも、夢だったなあ…。(屋台のクレープを食べたいという夢は、自分で働けるようになってから、叶えました(*^^*))

    それにしても、「わかったさん」シリーズの本、懐かしかった…(*^^*)
    姉妹篇の「こまったさん」シリーズも好きでした。

    作っていたら楽しくなってきたので、100均でチョコペンを買って、お絵かき…☆

    私は脱会して18年の年月が経っていますが、友人の観察によると、まだまだ教団の教えやトラウマに囚われているようなので、小さなことでも、本当に自分がやりたいことをできるようになっていきたいと思います。

  • 「良いたより」って何?自分の頭で考えることの重要性

    「良いたより」って何?自分の頭で考えることの重要性

    勧誘活動での手法

    エホバの証人だった子どもの頃、信者である母や周りの信者たちに連れられて、勧誘活動に参加させられていました。

    エホバの証人たちは勧誘活動のことを「伝道(活動)」とか「奉仕(活動)」とか「良いたよりを宣べ伝える業」などと呼びます。
    教団が定期的に発行している「ものみの塔」や「目ざめよ!」といった名前の雑誌などをカバンに入れ、暑い日も寒い日も、家から家へと回っていました。(最近は信者の方々は電子機器も用いての勧誘活動をされているようです)

    まずは「お庭に咲いている花が綺麗ですね」とか褒めたり、その時話題になっているニュースについて触れて、今の時代がどれほど危険や恐ろしいものであふれているかを強調したりしてから、徐々にものみの塔の教えのほうへ話題を持っていきます。

    もちろん、違う話題の場合もありますが、「最近はどうなのかな?」と思って先ほどものみの塔の公式ホームページを見てみましたが、今も手法は同じのようで、

    恐ろしい​事​が​毎日​の​よう​に​起き​て​い​ます。この​世​の​ありさま​は​確か​に​変わり​つつ​あり​ます。悪化​し​て​いる​の​です。
    (ものみの塔 オンライン・ライブラリーより引用)

    といった言葉が並べられていました。
    そうやって人々の恐怖心を煽ってから、「病気​や,飢え,犯罪,戦争,あらゆる​虐げ​が​神​の​王国​に​よっ​て​一掃​さ​れます!」という「良いたより」を伝えるのです。
    また、幸せな家庭生活を送る秘訣、健康やお金についてなど、人々の興味を惹く話題から入ることもあります。

    人殺しが大好きなエホバを好きになれなかった

    「本当に私が行なっているのは、『良いたより』を宣べ伝えていることになるのかなぁ?『幸せな家庭を築く秘訣を教えます』とか言って勧誘しても、エホバの証人になってから家庭崩壊している家族が周りにたくさんあるし。
    ものみの塔誌や目覚めよ誌は、毎号様々な内容を取り上げているけど、そうやって『真理を知らない』方々の興味を惹きつけてから、結局一番最後に教え込むことは『あなたもエホバの証人にならないと、まもなく来るハルマゲドンで滅ぼされますよ。』ということだよなあ…」
    と子どもの頃から心を痛めていました。

    ものみの塔の教えでは、教団の信者=エホバの証人になって、勧誘活動を行って教団の教えを守っていたら、ハルマゲドンで生き残ることができ、エホバの証人だけしかいない不老不死の世界(「地上の楽園」という言い方をします)で毎日エホバを賛美しながら永遠に生きることができる、ということになっています。

    そのような生活に魅力を感じる人たちもいるかもしれませんが、私は人殺しが大好きなエホバのことを、心の底から「大好き!」とは思えませんでしたし、意味不明のたくさんの規則を作り上げ、主に子どもたちを苦しめてきた教団の教えを、この先も永遠に守り続け、また新たに生まれてくる子どもたちにも強制しなければいけないということは、私の良心に反するものでした。

    勧誘活動に参加しない、という選択肢は、エホバの証人2世の私にはなかったので(詳しくは過去記事「なぜ私はものみの塔を脱会するのに約10年を要したのか」をご参照ください)、心の痛みに耐えつつ家々を回っていました。

    自分の頭で本当にこれは正しいのかを考えることが大事

    ものみの塔を脱会してしばらくしてから読んだある本で、「どんな宗教を信じてもいいけど、人を脅す宗教は偽物ですよ。神は人を脅すようなことはしませんよ。」という言葉と出会った時に、「ああ、やっぱりそうだよね…」と感じました。

    私は生まれてから脱会するまで、数万回、エホバの証人の勧誘活動は「良いたより」を伝えることであるという内容を聞かされ言わされ、また、文字として出版物の文章を読まされたりしてきましたので、まるで「良いたより」という言葉がエホバの証人の勧誘活動の代名詞のように染み付いてしまっていました。
    言葉の持つ力は本当に大きなものだと思います。

    ものみの塔の教えに限らず、「あれ?なんかおかしいな」と思った時には、「本当にそうなのかな」ときちんと考えるようにしていきたいと思います。

    ハルマゲドンで滅ぼされるということの補足

    ※ 以下、2018年4月26日追記
    なお、厳密に言うと、楽園に入ることができるのは「エホバの証人だけではない」ということになっています。楽園では過去に亡くなったエホバの証人が復活するとされていますが、エホバの勧誘を受ける機会がないままハルマゲドンが来る前に亡くなった人も楽園で復活できることになっています。
    ただし、復活した人たちも一定期間後に裁きを受けることになりその時に滅ぼされる人たちもいるので、復活できたからといって決して油断はできない内容だったかと思いますが、教義はしばしば変更されますので、今頃は多少違う可能性もありますが…。

    また、一度エホバの証人になった人が信者を辞めれば、間違いなくハルマゲドンで滅ぼされて死ぬことになる、ただしエホバの証人になったからといって必ずしもハルマゲドンを生き残ることを保証されるわけではない、といったマイナス面の教義は、勧誘対象者には初期の段階では伝えません。

  • なぜ私はものみの塔を脱会するのに約10年を要したのか

    なぜ私はものみの塔を脱会するのに約10年を要したのか

    先日発売された『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』の単行本を、非常に共感しながら読みました。

    私は現在も心身の調子があまり良くないため、周りの人からは「しばらく宗教について考えないように」と言われていますが、このマンガを読んで頭の中が子ども時代の回想モードに入ってしまったため、記憶と気持ちを整理するためにも、なぜ自分はものみの塔脱会に約10年を要したのかについての記事を書くことにします。
    (またしても落ちるのか、それともすっきりするのか分かりませんが…。どちらに転んでも、エホバの証人2世のリアルな日常をマンガで描いてくださった、いしい さやさんには感謝の気持ちしかありません)

    脱会を難しくした要因その1…洗脳の開始時期が早く、洗脳時間が長かったこと

    私が生まれたとき、残念ながらすでに母はものみの塔に入信していました。

    教団は信者たちに、「家で座るときも,道を歩くときも,寝るときも,起きるときも」ものみの塔の教理を子どもたちに教え込まなければいけないと指示していたため、母は、毎日のように子どもたちに教理を刷り込んでいました。(エホバの証人たちはものみの塔のことを「教団」とは呼びませんが、当サイトでは一般的に使用されている「教団」という言葉を使用します)

    集会や、自宅での「家庭聖書研究」、「家族研究」の時間は当然エホバを称える宗教教育が行われていましたが、それ以外の時間、例えば家事などをしている時間や車で移動する際の車内でも教団が作成したテープを流していました。

    そのような刷り込みが功を奏し、私は間もなくハルマゲドンが来て、エホバの証人以外の人類は抹殺されるという教理を信じてしまっていました。

    脱会を難しくした要因その2…教団の教えに良い教えも含まれていると感じていたため

    ものみの塔の偽善について気が付いたのは何歳の頃か、はっきりとは覚えていませんが、子どもの頃から違和感を持ち始め、教団から離れたいと思い始めました。

    たとえば、エホバは「平和の神」であると謳われていましたが、気に食わないことがあるとすぐに人を殺すエホバは、幼心にも、とても平和の神だとは思えませんでした。

    さらに、教団の教えに従えば幸せな家庭生活を送れる、とされていましたが、実際には母親が信者になってから父親や親せきと不和になり、家を追い出されて極貧生活を強いられ、その子どもも精神科に通っているという家庭や、妻が信者になったがゆえに離婚した家庭、信者になってくれず宗教活動に反対する夫のことを「悪魔サタンに支配されている」と言ってのける妻である信者(周りの信者たちも同意見でした)を目の当たりにしていたため、「どうしてエホバの証人になると、こんなに多くの家庭や人の心が崩壊していくのだろう」と疑問に思っていました。

    一番心を痛めていたのは、集会や大会中にぐずったり声を出したり、親の気に食わない行動を取った子どもたちが鞭打ちを受けていたことです。

    赤ちゃんや子どもたちが痛みと恐怖で泣き叫ぶ声を聞きながら、「こんなわけの分からない退屈な話が延々とされる中、こんなに小さな子どもたちがじっと座って話を聞くなど当然無理なのに、どうしてあんなにひどい仕打ちができるのだろうか。これこそが悪魔の仕業ではないか。どんなに立派なことを言っていたとしても、こんなに子どもたちを苦しめる宗教は、正しい宗教ではないのではないか」と感じていました。

    さらに「嘘をついてはならない」と指示されていたのに、布教活動中に、家の人に「うちは宗教は結構です」と断られた場合には、「宗教の勧誘ではありません」と答えるように指導されていたので、「どう考えても宗教の勧誘なのに、どうして嘘をつくように指導するのだろう?」と疑問に感じていました。(この指導内容は、私が育った地域限定のローカルルールなのかどうかは分かりません)

    それでも、教団の教えにも「愛を示しましょう」のような良い内容のものもあったため、私はずっと悩んでいました。
    そういった類の話は、他の宗教でもなされているということは後に知ることになるのですが…。

    教団はやたらと「愛」について強調していた記憶がありますが、結局のところ、その「愛」は条件付きの、非常に限定的な愛でした。私は幼い頃から、自分の良心の痛みに耐えながら、複雑な心境で信者生活を送っていました。教義の矛盾にも気が付いていましたが、良心の痛みを柔らげるために、できるだけ教義については考えないようにして生きていました。

    教団に対して不信感を抱き、脱会を願いながらも約10年も組織から離れることができなかったのは、長い間ものみの塔の実態を調べることをしなかったことも一因でした。私が初めてものみの塔組織について調べたのは、脱会してから13年が経過した、2013年のことでした。もしもっと早く調べていたら、確固たる信念を持ってもっと早く脱会することができ、心の傷も現状よりはましだったのだろうと思うと、自分のあまりの行動の遅さが悔やまれます。

    脱会を難しくさせた要因その3…母を悲しませたくなかったから

    私が脱会するのに時間がかかった一番の理由は、自分の人生すべてをかけてものみの塔を信仰している母を悲しませたくなかったからだと思います。私がものみの塔を脱会する=私はハルマゲドンで滅ぼされ、母や他の信者たちと一緒に楽園で永遠に生きることはできなくなる、ということになるので、私が脱会を希望していることを知った母の苦悩はいかばかりであろう、もしかしたら倒れてしまうかもしれない、という不安があり、なかなか脱会の意思を伝えることはできませんでした。

    もし常に鬼のような母だったら、簡単に見捨てることもできたのかもしれませんが、私の母の本来の姿は、心優しい女性です。
    貧しい生活の中、病弱な母が、自分のことよりも子どものほうを優先してくれたり守ろうとしてくれたりする姿を見ていると、「私がしっかりしなければいけない、母を安心させるためにも、信者生活を続けなければいけない」と感じていました。

    私は自分の心の声を無視し、自分の良心に反して信者生活を送っていました。

    脱会を難しくさせた要因その4…相談できる人はいなく、逃げ場もなかったから

    私が子どもの頃、母親が熱心なエホバの証人だった場合、子どもが自力で脱会するのは現実的に不可能でした。

    今はインターネットも普及していて、子どもたちもネットで調べ物をしたりするのもできるようになりましたが、私が子どもだった頃は自分の携帯電話やスマホなどはもちろんなく、パソコンの使い方も知らなかったため、ものみの塔について調べたり、助けを求めるのは非常に難しかったです。

    もし父親が子どもの意見を聞いてくれる人だったら、きっと父親に相談して脱会の手助けをしてもらえていたのかもしれませんが、私の場合は父は「迫害者」だったため、とても相談などできる関係ではありませんでした。

    私は子どもの頃から自律神経失調症の症状で苦しんでいましたが、当時はそれがものみの塔が原因であるとは自分でも気が付いていませんでした。
    ただ、よく眠れない、という症状については、ある新聞の読者のコーナーに投書したことがあり、その投書を見たある女性が私を心配して、新聞社を経て私宛てに温かいお手紙を送ってくださり、やはり『世の人』にも、こんなに素晴らしい方がいらっしゃるんだなあ、自分が「信者以外はサタンに支配されている」とする教理に違和感を感じている感覚は間違っていなかった、と思った記憶があります。

    それでも、生まれた時から教団から「エホバの証人以外の人たちは悪魔サタンに支配されている」と刷り込まれていたので、脱会したいという気持ちを誰にも相談することができず、実の兄弟にさえも「もしかしたら密告されるかもしれない」という恐怖心から本音を言うことはできず(以前の記事でも書きましたが、一度だけ妹に本音を言ったところ、信仰心が足りないと言われてしまったため、本音は言わないことにしました)、一人で悩む日々を送っていました。

    複雑な心境のまま、それでもやはり自分の良心に反するものみの塔の活動をすることが耐えられなくなり、母には脱会の意思をはっきりとは伝えずに、徐々に布教活動に参加しないようにしていき、集会の出席も減らしていき、2000年に教団との関りを完全に絶つことができました。

    信仰や考え方、生き方を強要されて私のように苦しむ子どもたちがこれ以上増えないことを願っています。