「ヤングマガジンサード」で連載されていた『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』の単行本が今年12月20日に発売されます。現在、予約が可能なようです。
いしいさやさん(@ishii_saya)のツイッターはこちらです。
明日発売のヤンマガサードより連載が始まります!お手にとって頂けましたら幸いです pic.twitter.com/R9HUkfLClS
— いしいさや@ヤンマガサード連載中 (@ishii_saya) 2017年6月5日
「ヤングマガジンサード」で連載されていた『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』の単行本が今年12月20日に発売されます。現在、予約が可能なようです。
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ものみの塔は信者であるエホバの証人に対して、長年に渡り体罰を指示していました。しかし近年、体罰に関する研究が進み、その悪影響について明らかになってきています。
体力が圧倒的に弱い子どもにとって、大人からの体罰は脅威となり、恐怖を植え付け親に対する信頼感を失わせます。
体罰を受けることを恐れて反射的に言動を選択するようになるため、子どもが自分で最善の方法をじっくり考えて選ぶことができなくなり、子どもが本来持っている「生きる力」を発揮できなくなってしまうのです。
体罰を受けると「自己評価が低下する」、「うつになりやすい」、「学校の成績が悪くなる」といったことも指摘されています。
最近、子どもの頃に3年以上に渡って年12回以上の頻度で、物で殴られるような強い体罰を受けた人と、体罰を受けていない人の脳画像を青年期になって比較するという研究が行なわれました。その結果、体罰を受けた人の脳画像は右内側前頭前野や左背外側前頭前野と呼ばれる部位などの灰白質が小さく、左背外側前頭前野が小さいほど知能検査の動作性IQが低かったそうです。(白尾直子著『児童精神科医ママの子どもの心を育てるコツBOOK』より)
私のどうしようもないほどのトロさ、不器用さ、納得です…。
白尾先生は同著で「前頭前野は認知機能や社会性と関連が深いので、幼少期に体罰を受けることで前頭前野の発達に遅れや乱れが生じ、こうした変化が子どもの状況判断や社会性の弱さにつながり、さらに体罰が生じやすくなるという悪循環ができてしまっているかもしれません」と述べています。
また、2002年、体罰を受けた3万6千人を対象にしたアメリカの調査では、体罰が、一時的には親の命令に従う「効用」がある一方で、長期的には①攻撃性が強くなる②反社会的行動に走る③精神疾患を発症する、などのマイナス面が見られることが判明したそうです。(参考:子どもすこやかサポートネットの体罰の研究)
いじめのことで親や長老に相談しても、「エホバを待ちなさい」とか「もっと聖書を読みなさい」「もっと祈りなさい」といった、まるでこちらの努力が足りないかのような返事しか返って来ないかもしれません。
ひどい場合には「あなたにも悪いところがあるんじゃないの?」などと、さらに子どもを傷つける言葉を言う人もいます。
でも、すべての子どもには言葉や暴力、無視などによって傷つけられることから守られる権利があります。また、「思想・信条・表現の自由」という権利もあります。
「ものみの塔の言うことだけが正しいのです。『この世』の人の意見など、聞いてはいけません」と教えられているとしても、もし自分で「何か変だな」「この考えはおかしいな」と感じたら、自分で調べる権利があるのです。自分で考えて行動することは本来は許されているのです。
子どもの権利については、子どもの権利条約で国際的に定められています。その中で子どもの権利とは以下の図にあるように大きく「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の4つあります。(図:unicefより)
このように、子どもには自由に「考える」「信じる」「意見を言う」「活動する」権利があるのです。ユニセフの子どもの権利条約のサイトにわかりやすい解説がありますので、読んでみて下さい。
また、図書館や本屋さんに「子どもの権利条約ハンドブック」という本がありますので、良かったら読んでみて下さい。
もし祈っても聖書を読んでも解決しなかったら、一般社会に助けを求めましょう。
無理をして集会や奉仕に行く必要はありません。「集会や奉仕に行かないとハルマゲドンで滅ぼされる」と教え込まれていても「本当にそうなのかな?そうやって人を脅かす宗教って正しいのかな?愛のある神は、そんなに心の狭いことを言うのかな?」と考えてみてください。
「新しい光が出た」と言ってコロコロと教義を変更したり、これまで冷酷な教義やシステムによって多くのエホバの証人を精神疾患に追いやってきたものみの塔に対して疑問を抱くのは、まったく自然なことです。
ものみの塔は信者であるエホバの証人に対して「識別力を働かせなさい」と指示しています。しかしその指示通りに実際に識別力を働かせてしまったエホバの証人を「背教者」であるとし忌避しているものみの塔。
この矛盾に気が付いて勇気をふりしぼって組織を離れた方々も多くいます。エホバの証人の親から離れて、心身症が良くなった先輩もいます。(参考:ぼくは親に殺されていたかも知れないー22歳で家出同然で上京した巨椋修(おぐらおさむ)氏)
組織を離れた後、それぞれがご自身の良心に従った生き方をするようになり、ストレスが減り、体調が良くなり、充実した毎日を送れるようになった方々が多くいます。
[参考]
私の場合は、幸い理解のある先生方ばかりで、先生に「証言」する際には大きな困難はなかったのですが、やはり宗教ゆえに行事に参加することができないのはとてもつらいことでした。行事があるたびに憂鬱でした。
先生がその場にいれば、先生に「証言」をして許可をもらい、学友たちと目を合わせないよう時計や地面を眺めながら時間が過ぎるのを待つだけで良かったので耐えられるレベルでしたが、その場に先生がいないとなると話は別です。
小学校3年生の時の、ある日の午後の出来事をよく覚えています。
「学級会」の時間に、あるクラスメートが担任のA先生にお願いをしてA先生に教室を出ていっていただきました。
そして教室内にいるのは子どもたちだけになったところで「サプライズで来週A先生のお誕生日会をしよう!」という議題が出され、A先生のお誕生日会を開催するかしないか、挙手で多数決が取られることになりました。
A先生はとても素敵な先生で私も大好きだったため、私も「A先生にぜひ楽しい時間を過ごしていただきたい」と思い、自分が参加できないことは分かっていてもお誕生日会開催に「賛成」のほうに挙手したいと思いました。しかし、そうしてしまうと私が「賛成」に挙手をした、という情報が母の耳に入りムチ打ちを受けるかもしれないし、エホバに滅ぼされるかもしれない、という恐怖で「反対」に挙手せざるを得ませんでした。(その時の私には「挙手しない」という選択肢を思いつくことができませんでした)
多数決の結果は、私を除く女子全員が賛成、そして私と男子全員が反対で、人数が同数となりました。
その時の教室内の全女子の私に対する突き刺さるような目線…普段は仲の良い関係であるだけに、本当に恐ろしかったのです。
多数決の結果が同数だったため、男子と女子の各代表者によるじゃんけんで決めることになりました。
このじゃんけんの最中には、私は心の中で「どうか、女子が勝ちますように…」と必死で祈っていました。(誰に祈っていたのかは分かりませんが)
このわずか数十分の学級会がどれほど長く感じ、恐ろしかったのか…文字通り、恐怖で眼の前が真っ暗となり何も見えなくなるのです。身体が崖から突き落とされたかのように、下に落ちていく感覚が襲い、普通に座っていることさえ困難でした。
結局、じゃんけんで女子が勝ち無事に開催が決定。私は安堵しましたが心臓はまだバクバクとしていました。
学級会が終わると、リーダー格の体格の良い女子を含む女子数名がツカツカと私に近づいてきて、「さっき、あんたなんで「反対」に手を挙げたのよ!あんたのせいで誕生日会、できなくなるところだったじゃん!!」と。幸いいじめには発展せず、ただ詰問されただけでしたが、本当に恐ろしかったです。
それから私の苦悩が始まりました。「A先生に、私が『反対』に挙手したことが知られたらどうしよう…。いや、誕生日会に出席できないのだから、必ず知られるし、私だけお祝いすることができず、先生に悲しい思いをさせる」と…。
その後しばらくは、悪夢でうなされたり夜中に泣きながら目を覚ましたりしていました。とはいっても、普段はハルマゲドンの悪夢をよく見ていたので、その時期は「リーダー格の女子たちによる脅迫」と「A先生に悲しい思いをさせて申し訳ない。この場から逃げ出したい」という内容の悪夢に変わっただけですが…。
このように、あらゆる行事を拒否しなければならない体験を私は幼稚園児の頃からさせられており、5歳の時に多くの行事を拒否しなければいけなかった辛い記憶が、当時の教室の様子も含めていまだに残っています。仲の良い友だちはいましたが、多くの行事に参加することができないために神経をすり減らしており、灰色の幼稚園生活でした。
加えて生まれたときから、ものみの塔の冷酷な教義を毎日刷り込まれ、幼少期から繰り返し叱責と体罰を受け、宗教上の亀裂ゆえに両親がたびたび喧嘩をしていました。あまりにも頻繁に激しい喧嘩が起こっていたので、近所の人がうちの玄関の前で聞き耳を立てていたくらいです。
そのためストレスは身体の不調(頭痛、腹痛、めまい、立ちくらみ、吐き気、不眠)となって現れており、それは私の記憶のある一番始めの部分、幼稚園時代から始まっていました。ですので、自分の記憶の限り、子ども時代に健康だったことはありません。
私の家族の話によると、乳児の頃から体調が悪かったそうです。母は私が胎内にいる時から部屋で組織のカセットテープを流すなどの「胎教」をしていたため、その影響もあるのかもしれません。
いじめを受けなかった私でも、上記のようなつらい体験をしましたが、いじめを受けた子どもたちは筆舌に尽くしがたいほどの苦悩を味わってきました。
エホバの証人の子どもたちは、多くの行事に参加することができず、加えて放課後は「神の業(宗教活動)を第一に!!」「悪魔サタンの支配下にあるこの世の子との交流は極力避けるように」とのことで一般の子どもたちとは最小限の接触しか許されない場合が多いため、いじめられる子どもたちが多数発生してきたのです。
「あいつは付き合いが悪い」「宗教に入っているんだ」と陰口を叩かれ、クラスメートたちからの冷たい視線を浴び、いじめへと発展していきました。
ものみの塔の教義では争いを非としているため、信者の子どもは、いじめている子たちに対抗することも許されません。
「エホバは争いごとを好みません。我慢しなさい」と親に叱られるのです。ものみの塔の教義ゆえに苦難を味わってきた子どもたちは数多くいます。
『カルトの子』に、信者の子どもが受けたいじめの体験談が掲載されていますので、一部ご紹介いたします。
もう鬱状態でしたよ。中学校時代は早く学校生活が終わらないかと思っていたほどでした、今でもはっきりと覚えていることがあります。中学2年のとき脳腫瘍を患っている子がいて、ぼくはその子と特別仲良くしていた。その子のお母さんにも感謝されたぐらい。ところが、その子が亡くなった。お母さんからぜひ葬儀に来てくれと言われた。でも、エホバの証人だから行くことができない。それで、クラスの仲間から、なんで葬儀に来なかったんだ、仲が良かったくせに冷たい奴だと、殴られた。悔しかったですね」(43歳、男性)
『カルトの子』米本和広著より
(いじめを受けて)傷ついた恵美には休息が必要だった。しかし、伝道訪問を休むことは許されなかった。苦しかったという。学校からの帰りが遅いと、母親は烈火のごとく怒った。小学校の高学年ともなると放課後にクラスの委員会がある。それを伝道訪問のため中座しなければならない。クラスメートはずるいと怒った。
委員会か伝道訪問か。どちらを選択しても賞賛はなく、ただ怒りが待っているだけ。典型的なダブルバインド(二重拘束)である。これほど辛いことはない。恵美は、より怖い母親の命令に従った。熱が38度あっても「1時間でもいいから参加しなさい。そうすれば治るから」とせっついたほど、母親にとって伝道訪問と集会は絶対だった。
恵美は家にも居たくない、学校にも行きたくないと思った。
小学校4年生になって不登校になった。一日中鬱状態が続き、どうしようもない倦怠感に襲われた。ところが、母親はほとんど関心を示さない。
「学校を休んでいるのに、伝道に行こうって誘うんですよ。私の不登校になんか関心がなく、この世を救うことのみといった風でした」と恵美は寂しげに笑った。
『カルトの子』米本和広著より
次回に続きます。→ 第3回
エホバの証人の子どもたちは、誕生会、クリスマス、七夕、ひなまつり、節分、正月、母の日、子どもの日、祭り、焼香、国家・校歌斉唱、クラス委員を決める、などを含む種々の選挙、格闘技など様々なことを禁止されているため、ありとあらゆる学校行事に参加することができません。
単に参加できないだけではなく、「私はエホバの証人です。だから七夕集会には参加しません」とみんなの前で「証言」をしなければなりません。「証言」の強制度合いは、地域・各家庭で差があります。また近年、その強制率は下がってきています。
本人が望もうと望まざると、「エホバの証人の子ども」として生まれてしまっただけで、強制的にそのような状態に置かれるのです。
(二世の体験談の例:「母がJWになってから始まった虐待」 「子ども時代の黒い記憶」)
さらに、ものみの塔が明確に禁止しているもの以外にも、数多くの規制が子どもたちに課せられてました。「聖書によって訓練された良心によって」各自が決める事柄とされているものです。
「良心に従っている」と思い込んだ信者である親から、テレビを処分された子どもや、とても大切にしていた趣味の物(教義では禁止されていない物も含む)を破壊され捨てられた子ども、ものみの塔の音楽以外の全ての音楽を禁止されてきた子どもたちもいます。
なぜ信者である親がそのような行動に出るのかというと、ものみの塔が様々な出版物や講演などで「〇〇は忌まわしい」「〇〇は嫌悪すべき」と明言していること以外にも、「〇〇兄弟は自分の良心に従って、〇〇という決断を下しました」「〇〇姉妹は良心に従ってこのような決断を下し、今では大きな報いを受けています」「〇〇には用心するのが賢明です」と、数え切れないほどの避けたほうが賢明だという例を挙げ続け、信者たちに「これも避けたほうが良いのだ」と刷り込んでいるためです。
ちなみに教団の公式サイトで「忌まわしい」のキーワードで検索したところ、検索結果は339件と表示されました。
エホバは気に食わない者を「徹底的に滅ぼされる」神でしたので、信者の中にもエホバに見習って、信者としてふさわしくないと思えるものを「徹底的に」排除しようと行動してしまった人たちがいたのです。
実際には「良心に従って決定」したのではなく、ものみの塔の思惑通りに動かされていただけだったと、脱会してから気付く信者さんも多いのですが、信者である間は、できるだけ厳しく規制しておいたほうが、仲間の信者から「霊性が高い」(信仰心があつい、という意で使われる用語です)として賞賛されるため、多くの親たちが子どもたちの心に深い傷を残す行動を取ることとなってしまいました。
ものみの塔は1985年に『学校とエホバの証人』という冊子を発行しました。
そこには、二世たちが拒否しなければいけないものが明確に列挙されていました。
この冊子は「〇〇は禁止です」という書き方はせず、「子どもたちは、〇〇はできませんので、ご協力をお願いします」といった学校に対しての説明という形が取られていますが、JWの親子に対して明確な禁止事項を付与するもので、子どもたちから多くの自由が奪われました。
組織が「自分たちは指示をしていない。各信者たちが自分で決めた事です」(上記のように、信者たちは「自分の良心に従って決める」という言い方をします)と言い訳ができるよう、巧妙な手口をとってきたことがこの書き方からもよく分かります。
この冊子が多くの信者の子どもたちに悲劇をもたらしたことを、エホバの証人二世の方がこちらの記事で書いてくださっています。こちらのページのコメント欄には「子どもたちをJWの規則で縛り付ける律法集だった」という元二世の方の意見がありますが、的確な表現だと感じました。この試練は「中立の問題」や「試み」と呼ばれており、二世の子どもたちに多大な重荷を負わせるものでした。
『学校とエホバの証人』の全文はこちらです。エホバの証人の「願い」や「教育方針」「子どもに望むこと」がストレートに出ています。
この中で、「私どもの子供たち」という言い方をしている点からも、組織がJWの子どもを私物化していたことが分かります。
学校は「不健全」な影響の温床であるとされ、「大抵の証人たちの若者は学校で行なわれる課外活動に参加いたしません」などと、受け取り方によってはさらなる禁止事項が発生するあいまいな表現を用い、学校と極力かかわりを避けたい旨が述べられています。信者の子どもたちは、この書に書かれているような学校生活を送ることになりました。
それが原因でクラス内で孤立したり、いじめを受けたりする子どもが全国で多数発生しました。さらに、その戒律を破った子どもへのムチ打ちが増えた家庭も多かったようです。
また、冊子の主張も強引で根拠に乏しい記事が多かったため、教師側の怒りや反発を買ってしまい、学校と親との板挟みで苦しむ二世も少なくありませんでした。
なお、現在は『学校とエホバの証人』は廃刊となっており、ものみの塔オンライン・ライブラリーの検索資料からも外されて、無かったことになっています。当時の冊子の内容について、組織は肯定も否定もしておらず、多くの子どもたちの心に深い傷を負わせたことについても、いまだに一切の謝罪もありません。
クラスメートたちの前で「私はエホバの証人なので〇〇はできません」と「証言」をさせられ、みんながわいわいと行事を楽しんでいる時、いつも教室の隅で独りぼっちでそれを眺めていなければいけないつらさ、みじめさ、恥ずかしさは、経験した人にしか分からないかもしれません。
そもそも「子どもの権利条約※」第14条(思想・良心・宗教の自由)で、子どもにも信教の自由が認められているというのに、ものみの塔や信者である母親が実質的に信者の子どもに信仰を強要していること自体がおかしいと思います。強要されていなければ、信者の子どもたちが学校生活において耐え難い苦痛を味わう必要もありませんでした。
幼い頃の私は、ただ母親に褒められたい一心でしたので、自分が信仰を強要されている状態に気付くこともできませんでした。
※「子どもの権利条約」は、1989年11月20日国連総会で採択された、子どもの権利に関するはじめての法的拘束力を持つ国家条約であり、万国共通の子どもの権利学習の最良のテキストと言われています。日本は1994年4月22日に批准しました。
最近のエホバの証人の親御さんは当時苦労した二世の方が多いため、三世の子どもたちに対しては比較的寛容な方が多いようです。
応援や騎馬戦、クリスマスや七夕や節分なども学校で自由に参加させている親も多いと聞いています。
そして一世の信者さんの中にも、クリスマスにケーキを買ってきて食べたり、母の日に孫からカーネーションをもらって喜んだりしている方々もいるようです。
次回に続きます。→ 第2回
「エホバの証人の子どもたち」の本のご著者で、エホバの証人二世の秋本弘毅(ひろき)さんが、「エホバの証人の子どもたちのホームページ」を開設してくださいました。(以前にも開設されていたので、正確には復開設ですが)
こちらのホームページに、もしもしホットライン、ブログ、二世の方向けの掲示板「陽のあたる場所」など、秋本さんが主催されているものがまとめられています。
また新サービスとして、秋本さんとの面談や、ご自身で対応が難しい信者さん(長老、親、研究司会者)へ同行対応も加わりましたので、エホバの証人問題でお悩みの方の心強い助けになることと思います。
さらにオフ会のリクエスト受付及び告知もこちらのホームページでされていますので、元エホバの証人の方々と交流がしたいという方にも有益かと思います。
(♯2020年6月現在、サイトは閉鎖されています)
「エホバの証人の子どもたち」については以下に過去ご紹介しています。
「どうして母はものみの塔に入信してしまったのだろう…。母がエホバの証人にならなければ、こんなに苦しまなくて済んだのに…」
長い間私はそのように感じていました。「エホバの証人以外の人類は間もなくハルマゲドンで抹殺される。そして地上の楽園でエホバの証人たちは永遠に生きる」という、絶望しか感じない終末思想を説くものみの塔組織のどこに魅力を感じて入信したのか、理解できませんでした。
私は長い間そのような怒りを持ちつつも、脱会後は母やものみの塔組織にあまり興味がなかったので、母の入信理由を深く考えたことがありませんでした。
今さらながら気になり始めたので、エホバの証人関連の本やサイトを読み返して想像してみました。
母が入信してしまったがゆえ、どのようなエホバの証人流の子育てをしてしまい、私のような自殺願望を持つ子どもができあがってしまったのかについてまとめてみました。
「エホバの証人の子どもたちは、小奇麗な格好をしていて真面目で素直で礼儀正しい」ーひと昔前まで、そのような印象を持つ一般の方々も多かったようです。
そのような子どもの姿を見て「うちの子もこんな風な良い子に育ってくれたら」と願い、自宅に訪問してきた子連れ信者の話に耳を傾け、何度も訪問を受けるうちに教義を信じるようになる主婦たちが数多くいました。恐らく母が入信した一番の理由は、このような他の多くの主婦信者たちと同様、「聖書(実際にはものみの塔組織)から学ぶ子どもの教育方法」に惹かれたためだと思います。
母の入信時期は、母の結婚後から私が生まれるまでの間、ということしか分かりませんが、きっと子育てについての指針や子育て仲間が欲しかったのだと思います。(なお、ものみの塔の教義を知り信じるようになることを、信者たちは「真理を知る」という言い方をします)
信者から話を聞くようになり、研究生と呼ばれる少しずつ教義を学び始めた勧誘対象の方が集会に行くようになると、信者たちが次々と集まってきて、満面の笑顔で「ようこそいらっしゃました!」と大歓迎を受けます。きっと母もそのラブシャワーに感銘を受け、どんどんはまっていったのだと思います。
エホバの証人社会では、バプテスマ(洗礼)を受けた信者はお互いを「兄弟」「姉妹」と呼び合い、落ち込んだりしても「励まし」と呼ばれる独特なやりかたでやる気を出させるシステムがあります(しばしばこの「励まし」が圧力になることもあります)。このような、一般社会ではまずあり得ないエホバの証人社会独特のウェットな人間関係も魅力的だったのでしょう。
また、信者たちは「虐げられている人々のための慰め」(教団の公式サイトより抜粋)として教団の教えを家の人に伝えるため、「自分は虐げられている。不当な扱いを受けている」と感じている人たちにとっては特に、エホバの教えを希望の光のように感じたのかもしれません。
そして教団の中にいると「クリスチャンの交友を通してさわやかさを得る」「宣教奉仕はさわやかさをもたらす」「家族の崇拝からさわやかさを得る」(教団の公式サイトより抜粋)…といった言葉を繰り返し聞かされ言わされるので、「熱心にエホバの宗教活動をするほどさわやかになる」と錯覚していったのかもしれません。
伝道先の家の方々(恐らく私の母も)に時として感銘を与えるほど、行儀の良かったエホバの証人の子どもたち。
そもそもなぜそれほど行儀が良かったのかというと、エホバの証人の信者の親たちは普段から子どもたちに徹底した「訓練」を行っていたからです。
それは大人から見てきちんとした行動をする良い子は非信者から好感を持たれますので、子供を新規信者獲得のために効果的なマネキン人形にする目的と、将来の有能な伝道者を養成する目的があります。
このように伝道の時に良い子の態度を取り、王国会館でおとなしく椅子に座って勉強している子供を見た何も事情を知らない一般人は「うちの子と違ってエホバの証人の子供はなんてしっかりした良い子が多いんだろう、私がこの宗教に入ったらうちの子供も良い子になるかも?」という錯覚を起こさせる効果があります。
(昼寝するぶたより)
しばしばその「訓練」には体罰が用いられていました。「エホバのみ名に誉れをもたらさない行動を取った」という理由により体罰が行われるのです。
エホバの証人のコミュニティは、子どもが子どもらしい振る舞いをすると罰せられる世界でした。
ものみの塔の出版物に書かれている子育てに関する短絡的な思考についての資料と、そのような子育てを受けた方の回想を以下にご紹介します。
子供が子供でいられない世界 | エホバの証人研究(ブログ)
習慣と信条 – 子どもの訓練 | エホバの証人研究
エホバの証人2世の方の子ども時代の回想『カルト教団 エホバの証人により奪われたモノ』
ある宗教の2世の信者さんである、女優の清水富美加さんが出家されたことが話題となっています。
親が信者で生まれながらに信仰を強制させられた2世の清水富美加さんの、これまでとこれからの心情に、宗教は異なりますが同じ2世として思いを馳せています。テレビに映っている彼女は幸せそうですので、その幸せが続くよう祈っております。
この一連の報道に際して、この世に生を受けた時からエホバの証人(JW)2世として育てられた自分のこれまでを振り返ってみました。
長くなりましたので、何回かに分けて投稿致します。前回の記事に続き、第3回目の投稿で今回で最終回です。
なお、これは私個人の体験談であり、同じエホバの証人の子どもとして育てられた方々でも、境遇やものみの塔の教理・指示に対する感じ方、入信中及び脱会後の考え方・生き方は様々ですので、あくまでも元JW2世の一例としてご覧いただけたらと思います。
無事に組織を離れてから相当の年月が経っても、なかなか無気力な状態が抜けませんでした。
ものみの塔独自の冷酷な教理や信者たちの言動によって組織に対する疑念が募り、自分の意志で組織を離れてかなりの年月が経ち、自分では「もう私の中からは、ものみの塔に毒された部分は抜けきった」と思っていたにも関わらず、実際には母の胎内にいる時から絶え間なく、様々な巧みな表現を用いて心の奥底まで染み込まされた教理が、自分の中に暗闇として残っていました。
組織から離れてから十数年経った頃、ある信頼している方に自分が過去にエホバの証人であったことを告げた時に「まさか、今でもハルマゲドンが来るとは思ってないよね?」と聞かれ、返事ができない自分がいることに驚き、ようやくそのことに気が付きました。
2013年、大病になり入院した際、救急病棟の中で「もし生き延びることができたらエホバの証人の子どもたちを助けるために行動しよう」と決意しましたが、自分の心の中に教理の闇が残っていることに気が付いたのは、その決意よりも後のことでした。
退院後は、まずはものみの塔のことは置いておき、様々な良書を読んで自分の心と向き合い、また人生の仕組みについて書かれた本を読み込んでいきました。
その後ものみの塔組織について調べ始め、徐々に実態を知っていくことになりました。(これは珍しいパターンかもしれません)
そして今のところ、一番最後に自殺願望を持ったのは、ものみの塔の実態を知った2013年の冬です。
幸い、自分で納得できる人生の仕組みを知った後でしたので、立ち直りは早かったです。
自分では「もうものみの塔の教理には支配されていない」と思っていたのに、実際には長期に渡り無意識に私を支配していたものみの塔の教理・指示は主に下記のようなものでした。
2013年~2014年頃までハルマゲドンの悪夢を見ることがありました。
そして「どうせハルマゲドンが来るのだから、何をがんばってもムダになる」と感じていました。
参考:習慣と信条 – ハルマゲドン | エホバの証人研究
ある宗教の2世の信者さんである、女優の清水富美加さんが出家されたことが話題となっています。親が信者で生まれながらに信仰を強制させられた2世の清水富美加さんの、これまでとこれからの心情に、宗教は異なりますが同じ2世として思いを馳せています。テレビに映っている彼女は幸せそうですので、その幸せが続くよう祈っております。
この一連の報道に際して、この世に生を受けた時からエホバの証人(JW)2世として育てられた自分のこれまでを振り返ってみました。
長くなりましたので、何回かに分けて投稿致します。前回の記事に続き、第2回目の投稿です。
なお、これは私個人の体験談であり、同じエホバの証人の子どもとして育てられた方々でも、境遇やものみの塔の教理・指示に対する感じ方、入信中及び脱会後の考え方・生き方は様々ですので、あくまでも元JW2世の一例としてご覧いただけたらと思います。
ものみの塔の教義に洗脳された母には、常に服従しなければなりませんでした。
集会以外にも、信者同士で集まる取り決めがなされたりした際には、私の意思など聞くこともなく、知らぬ間に勝手に申し込みをされて参加させられていました。
また、母と異なる意見を言うことは「口答えをした」とみなされるため、ものみの塔の教義通りの意見しか言うことは許されませんでした。
バプテスマを受けた男性信者を「兄弟」、女性信者を「姉妹」と呼ぶのですが、私は幼い頃「姉妹」という言葉は女性信者を指す以外にも使い方があることを知りませんでした。
ある時、父が買ってくれた本の中に「姉妹」という文字を見つけ、初めてエホバの証人が使用する以外にも姉妹という言葉が存在することを知り、母に「ここに姉妹って書いてあるけど、どういう意味?」と尋ねたところ、母はなぜか突然激怒したため、私は強いショックを受けました。
私は、聞いてはいけないことを聞いてしまったのだと思い、しばらく「姉妹」という言葉がトラウマとなりました。
少し大きくなってから自分で辞書で調べて言葉の意味を知ったのですが、「ものみの塔の情報以外、余計なことは知ってはいけないんだ」と心に刻み、その後は分からない言葉や疑問に思うことがあっても、誰にも聞かないことにしました。
幼い頃そのような極端な制限を受けていたせいか、少し大きくなってからは「外の世界を知りたい」と当時読むことを許可されていた新聞3紙(様々な面から社会情勢を見るようにとの父の意向で新聞は3紙購入していました)を毎日読むようになり、また、家族が寝静まった深夜にこっそりと父の所蔵していたビジネス書や歴史本を読むようになりました。
小学生だった自分には理解できない内容も多かったのですが、こうして少しずつ外の世界を知るようになっていきました。
特に、ものみの塔の重要な教理である「エホバの証人以外の人たちは悪魔サタンの影響下にある」とし、自分たちだけがハルマゲドンで助かるとする選民思想には良心を痛めていましたが、教理を刷り込まれない日はなかったので、子どもの頃は信じてしまっておりました。そして間もなく始まるとされているエホバの証人に対する迫害とハルマゲドンの恐怖に怯えていました。
なお、ものみの塔の出版物ではしばしば「決して恐れてはなりません」と書かれていて、信者たちは迫害に対して恐怖心を抱くことさえも実質禁止されており、恐怖心を抱くということは信仰が足りないせいである、と思い込まされていました。
集会や大会中にぐずった赤ちゃんや、親の気に障る行動を取った幼児、学童たちはトイレやムチ専用の部屋に連れて行かれ、容赦ないムチ打ちを受けていました。私は、集会・大会中に、これから執行されるムチ打ちの恐怖で泣き叫ぶ子どもたちが親に口を塞がれて会場の外に連れて行かれる光景を見ることが精神的に耐えられなくなり、ある地域大会の時には廊下に出て、柱と柱の間でうずくまっていました。(すぐに信者に見つかってしまい、会場に戻されました)
自分の心さえ守ることができなかった私は、自分より幼い他の子どもたちや年の離れた幼い妹が虐待を受けるのを見ていても助けることができず、通報するということを思いつくこともなく、無力な自分を責めていました。
ある宗教の2世の信者さんである、女優の清水富美加さんが出家されたことが話題となっています。親が信者で生まれながらに信仰を強制させられた2世の清水富美加さんの、これまでとこれからの心情に、宗教は異なりますが同じ2世として思いを馳せています。
テレビに映っている彼女は幸せそうですので、その幸せが続くよう祈っております。
私は1980年代にこの世に生を受けた時からエホバの証人(JW)2世として育てられました。そしてエホバの証人の教理ゆえ、子どもの頃から長い間自殺願望がありました。
なぜ死にたいと思うようになったのか、どのような子ども時代を過ごしていたのか、勉強や仕事に対してどのような感覚を持っていたのか、また自分の考え方に教理がどれほど影響力を持っていたか、組織から離れて17年経った今、改めて振り返ってみました。
長くなりましたので、何回かに分けて投稿致します。
なお、これは私個人の体験談であり、同じエホバの証人の子どもとして育てられた方々でも、境遇やものみの塔の教理・指示に対する感じ方、入信中及び脱会後の考え方・生き方は様々ですので、あくまでも元JW2世の一例としてご覧いただけたらと思います。
『エホバの証人の子どもたち』のご著者、秋本 弘毅氏が、ブログ記事で『ものみの塔聖書冊子協会(エホバの証人)日本支部 現支部委員の性的虐待』について書かれていらっしゃいましたので、こちらでもリンクを貼らせていただきます。記事はこちらです。
日本では、性的なことは人に訴えることが心理的にも難しいことがある為か、海外の支部ほどには性的虐待の実態が表に出てきませんでしたが、勇気を出してお話される方が現れて変わってくるかと思います。
秋本さんの記事にもあるように、同じような目に遭っている方はお一人で抱え込まず、秋本さんをはじめ信頼できると思える方に相談して頂きたいと思います。
秋本さんとのコンタクトは、こちらの「エホバの証人の子どもたちのホームページ」から取れます。
併せて、「性的虐待の情報に何をすべきか、すべきでないか」の記事もお読みいただけたら幸いです。
ものみの塔独自の教理の一つに「輸血拒否」があります。
1985年に起きた「大ちゃん事件」により、ものみの塔が信者に輸血を受けることを禁止していることは、一般の方々にも広く知れ渡ることとなりました。
私が、2013年に病院に救急車で運び込まれた時のことです。
すでに緊急の状況だったため、看護師さんに頼んで妹を呼び出してもらいました。当時身重だった妹は、息を切らしながら大変な思いをして病院に駆けつけてくれました。
私は「(エホバの証人である)お母さんに輸血を拒否されて殺されるから、お母さんには絶対に知らせないでほしい」と妹にお願いしました。妹は手術が無事に終わるまで内密にしていてくれました。
私はこれまで複数回大きな手術を受けましたが、手術が無事に終わるまで母に自分の入院及び手術を知らせたことはありません。
母に手術することが知られてしまうと、たとえ私が自分の意思を病院側に伝えても、熱心な信者である母によって「腕から注入器具を引き抜き,ベッドのわきにある血液バッグを処分(ものみの塔 1991年6月15日号 P.31)」される危険があるからです。
# 詳しくはこちらのページをご参照ください。ものみの塔は自らの雑誌で輸血を拒否して亡くなった若者たちを称えています。また、教団が言葉巧みに、輸血を受け入れることを、強姦されることを受け入れることと同じことであると信者たちに刷り込んでいる事実も確認できます。
仮に、母がそのような行動に出なかったとしても、私が輸血を承諾する紙にサインをすることに対して、私を非難したり、母自身が自責の念に駆られる状況になる可能性があるからです。
手術が終わり意識が戻った私に、看護師さんが今どこの病院にいるのかなどの状況説明をしてくださった後、母と対面しました。予想通り、すぐに母の口からは「輸血はしたの?」という言葉が出てきました。
今も、常時携帯している緊急連絡先に母の連絡先は書いていません。周りの方には緊急時には母には知らせないよう伝えてあります。周りの方や病院にもご迷惑をおかけしますので。
もし、私が先に旅立つ場合は、私の死に目に母が立ち会う可能性は非常に低いといえます。
ものみの塔が輸血を解禁するか、もしくは母がものみの塔を脱会するかのどちらかが実現するまでは、この状況は続くことでしょう。
# なお、これまでの協会の見解の変更の歴史を見る限り、輸血拒否のポリシーそのものが間違いであったとして訂正されることは十分あり得るようです。
参考:輸血拒否 – 変更される教理 | エホバの証人研究
ものみの塔協会は、1964年から長い間にわたり、ものみの塔の信者であるエホバの証人(JW)の親たちに、子どもたちにムチなどの体罰を行うよう指導してきました。(詳しくはこちらの「エホバの証人2世の体験談」のページをご覧ください)
しかし、1993年11月に広島で起きた虐待死事件( http://www.jwic.info/abuse.htm )以降、急に上層部は体罰を強要しなくなったため、エホバの証人の間でも次第に表面上は鞭打ちを行わないようになってきておりました。
しかしながら、当ホームページを作成した2014年の時点でも、信者が幼い子どもに対して鞭打ちを行なっている、信者をやめようとする若者に対して信者である親が暴力をふるっているといった情報を聞いておりましたので、水面下ではまだ子どもたちに対する虐待が行われている状況でした。
また、長年信者たちに刷り込まれてきた「子どもをよく訓練しましょう」という言葉にも、子どもを動物扱いしているものみの塔の精神が表れています。ものみの塔での子どもを「訓練する」という言葉は、一般の世界で使う訓練とは違った冷たく愛情のこもっていない印象をもたせます。
最近は「訓練」という言葉の代わりに「躾」という言葉が使われるようになったそうですが、本来「躾」というのは、子どものためを思って行うものです。ものみの塔が独自に信者の親たちにしてきた指導内容は、躾ではなく、組織にとって都合の良い人間を育てるためのものです。
その具体例が「子供が子供でいられない世界 | エホバの証人研究(ブログ)」に掲載されています。子どもにとって内容を理解することができない話がなされる地域大会で、子どもは大人の付属物のように3日間付き合わされ、寝ることも許されず、じっと座っていることが求められ、そうできるよう「訓練」することが指示されているのです。
言葉を変えて批判をかわそうとしているようですが、その本質は今も変わっていません。だからこそ、「伝道中、きつくて座りこんだ子どもを、家に帰ってから手足を縛り浴槽に投げ込む」、「集会中ではなく、自宅に帰ってからムチを行うよう指導する」といった事態が起き続けているのです。
2017年1月になった現在でも、母子でのエホバの証人の訪問を受けた家の方が、子どもの様子がおかしいことに気付き、親からの虐待の痕を見付けて警察を呼び保護したとのお話を書いていらっしゃいます。(http://ameblo.jp/ailam08/entry-12238121420.html )
「最近女性信者から、お子さんが乳児の時に『巡回監督に、子どもは牛馬と一緒だからムチを使えと言われた』と聞かされました。」と言う内容の書き込みもありました。お子さんの年齢からして10年以内だそうです。
確かに私がいた地域でも、エホバの証人たちは子どもたちに対してまさに家畜を扱うかのようにむち打ちを行なっていました。
ものみの塔の上層部からは、出版物や講演を通して以下のような指示が出ていた為、エホバの証人の間でそのような虐待が横行していた、というのもよく分かります。
子どもの心には悪魔が入っている。悪魔を追い出すために、ムチでお尻を叩きなさい。
体罰は子どもの命を救うものとなります。なぜなら、神のみ言葉聖書には『少年から懲らしめを差し控えてはならない。あなたが彼を細棒でたたいても、彼は死なない。細棒をもってあなたは彼をたたくべきである。』とあるからです。
いつもご覧いただきありがとうございます。
当サイトは、ものみの塔からの脱会と脱会後の助けになるような情報と、多くの方の心に灯をともすことができるような内容をメインに発信しております。
そして多くの方にご閲覧いただくことにより、エホバの証人の子どもたちが直面している問題や、信者たちが組織から指示されている忌避行為の事実が広く知れ渡り、いつの日か子どもたちが解放されて自由に宗教の選択や進学・就職ができるようになり、また排斥・断絶者に対する忌避行為がなくなることを願っております。
また私は、元信者さんと一般社会との架け橋のような存在になれますよう努めております。
取材などはすべて仕事の合間を縫ってボランティアで行なっており、個人でできることには限界がありますので、読者の方々からいただいたメッセージやコメント全てにご返信を差し上げるのは厳しい状況でございます。
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川島真彩
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複数の物語が過去と現在を行き来しながら描かれるサスペンスタッチのヒューマンドラマ映画、『神のゆらぎ』。
共にエホバの証人である看護師と末期の白血病を患う婚約者、不倫を続ける老人のバーテンダーとクロークの女性、互いへの失望を隠しながら暮らすアルコール中毒の妻とギャンブル狂の夫、取り返しのつかない過ちを償うためにドラッグの運び屋になる男の姿を通して、それぞれの決断が思わぬところで他人の運命を変えていく様を描く。キャストには、監督作『It’s Only The End Of The World』で『第69回カンヌ国際映画祭』グランプリを受賞したグザヴィエ・ドランが名を連ねている。ドランは「今までやったことがない役どころだったので、ぜひ演じてみたいと思った」と出演を希望したという。メガホンを取ったのは『7 DAYS リベンジ』のダニエル・グルー。
「シネマネット」より引用
こちらの映画は現在、「新宿シネマカリテ」、「シネリーブル梅田」、名古屋の「中川コロナシネマワールド」の3か所で上映されています。
そして「新宿シネマカリテ」では今現在2回上映されましたが、2回とも前日にはすでにチケットが完売していたとのことですので、ご鑑賞予定の方はあらかじめチケットを購入しておかれることをお勧めします。
「新宿シネマカリテ」の映画チケットは、鑑賞日の2日前よりインターネットならびに劇場チケットカウンターにて購入可能です。(詳しくは「新宿シネマカリテ」のホームページをご覧ください)
現在上映している映画館の各ホームページはこちらです。
新宿シネマカリテ http://qualite.musashino-k.jp/index.php
シネリーブル梅田 http://www.ttcg.jp/cinelibre_umeda/
中川コロナシネマワールド https://www.korona.co.jp/Cinema/nak/top.asp
2016年6月1日にアメリカのテレビ局「クリックオン・デトロイト」がエホバの証人(JW)の問題について特集しました。
このニュース映像に中野っちさんが日本語字幕を付けてくださいました。
中野っちさんのこちらの記事に字幕付きのニュース映像が掲載されています。
→ 『JW排斥、忌避、家族崩壊、自殺問題に、テレビ局がメス』
今回、中野っちさんのご許可を得て、以下に日本語訳の書き起こし文を掲載いたします。(なお、映像の尺の都合で要約された部分について、私のほうで聞き取れた文章は加筆してあります)
中野っちさん、いつも貴重な情報を提供してくださりありがとうございます。
以下、ニュースの日本語訳書き起こし文です。
死の間際に立たされた男性の話です。
男性:「私はもう少しで自殺するところでした。」
リポーター:「なぜそんなことになったのですか?」
男性:「(薬物の)錠剤を70錠飲んだんです。」
彼は今でも親族や友人にも話す事を恐れています。しかし今夜、彼は隠された事実を番組で語ってくれます。被害者は彼一人ではないのです。
男性キャスター:「人には信教の自由がありますが…。」
女性キャスター:「ええ、確かに。しかし(JWは)問題の山積みで、信者は生活苦、命の危険にも直面しています。」
リポーター:「エホバの証人、その他宗教団体の信者は脱会する時に精神的苦痛を経験します。愛する家族と意思の疎通がとれなくなり自殺を企てる事さえあります。しかし、諦めないで下さい。」
ケーシー:「私はインタビューを受けるのが怖いのです。私の正体がばれたら、私は排斥になります。」
ケーシーはJW2世として育てられました。テレビに出た事が知られると排斥になり、家族、友人を失います。
リポーター:「自分の親から忌避されるなんて、事実なんですか?」
ケーシー:「私の家族内に排斥者がいて、忌避されています。排斥者が忌避されるのは日常茶飯事です。」
番組は忌避の事実について、ものみの塔本部に電話とEメールで問い合わせました。しかしものみの塔本部は、マスコミ取材をいっさい拒否。エホバの証人の公式ウェブサイトの情報を参考にして欲しいとの回答でした。
公式サイトの排斥の部分を調べてみると、「証人は聖書の道徳基準を破り、悔い改めない場合は排斥、忌避される」とあります。
JWを含むさまざまな宗教について研究している神学者が、組織を脱会するのが、なぜ難しいのかを語ってくれました。
神学者:「JWはきわめて安全な生活環境を信者に提供します。それが、脱会を難しくします。」
トレル:「私は排斥と同時に、友人、家族をすべて失ってしまいました。」
トレルは1年半前まで、ここの王国会館に通っていました。彼は排斥とそれに伴う忌避で、鬱になりました。
トレル:「JWは世の人との交わりを禁じます。だから、私にはJW以外に友人がいません。私は天涯孤独になってしまいました。」
トレル夫婦は1週間前に離婚しました。信者である妻は彼をずっと忌避しています。
トレル:「JWの友人とスーパーや食堂で出会っても、挨拶もしてもらえません。」
神学者:「JWの他にサイエントロジー、カトリックの小分派などが厳しい忌避を行ないます。」
前出のケーシーと同じく、彼も鬱病になりました。しかし、ネットの情報から助けを得て、自殺を回避できたのです。
トレル:「ネットでは、自分と似た経験をした人たちが多くいます。それが助けになりました。」
ケーシーの精神状態も落ち着き、今年中には脱会したい、と考えています。
リポーター:「テレビを通して、奥様に伝えたい事はありますか?」
トレル:「愛している。君は素晴らしい女性だ…。(言葉に詰まる)すみません…。」
リポーター:「すべての脱会者が鬱になるわけではありませんが、脱会しようとする人たちが抱える悩みは共通しています。JWを辞めたいと思われる方は、ぜひ(専門家の)助けを得て下さい。」
書き起こし文は以上です。
ものみの塔聖書冊子協会*には、この異常で非人道的な「忌避」というシステムを一刻も早くなくすよう、切に願います。
(*電話 046-233-0005 月曜~金曜 8:00-12:00、13:00-17:00 )
川島真彩
このたび発生した熊本県・大分県を中心とする地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆さまには、心からお見舞い申し上げます。
皆様こんにちは。いつもありがとうございます。
すでにご存じの方も多いかと思いますが、来たる2016年5月28日土曜に「ドアの向こうのカルト」のご著者、佐藤典雅さんと、「解毒」のご著者、坂根真実さんによる講演会が開かれます。
講演会タイトル | 子ども時代のハンディを乗り越えるヒント ー 洗脳を解き、カルトから脱出した坂根真実と佐藤典雅の対談 |
日時 | 2016年5月28日(土) 19:00 ~ 20:30 |
場所 | 東京ウィメンズプラザ (ホール) 交通アクセス |
講演会詳細 申込方法等 | 下記リンクをご参照ください。 ※ 坂根さんのブログを見てお申し込みをされる方は、「坂根真実さんのブログを見て」とお書き添えの上、お申し込みくださいませ。 |
また、佐藤さんと坂根さんへの質問も、坂根さんのブログのメッセージで受け付けているそうです。
2015年7月28日にCNNニュースで、オーストラリアのエホバの証人による児童性的虐待事件、及びものみの塔による事件の隠ぺいについて報道されました。
このニュース映像に、中野っちさんが日本語字幕を付けて下さいました。
中野っちさんの該当ブログ記事はこちらです。
子供たちを守ると公言している組織の真の姿|JW.orgものみの塔オンライン・ライブラリー JW.orgを日々活用する ニュースに目ざとくある
今回、中野っちさんのご許可を頂いて、そのニュースの日本語訳を書き起こし、掲載させていただきます。
なお、映像の尺の都合で要約されたとのことでございますが、こちらのニュースと日本語訳だけでも、組織の実態を知ることができる貴重な情報だと思います。
中野っちさん、この度は誠にありがとうございました。
以下、ニュースの日本語訳書き起こし文です。
男性キャスター「児童性的虐待という衝撃的な事件がエホバの証人内で起きました。
1950年から、1000人以上の虐待者が組織内にかくまわれているのです。
100件以上の事件がまったく通報されておらず、JW(エホバの証人)には、事件を警察に届けないとする内部の方針があります。彼らは事件を審理委員会で処理していました。
調査委員会を取材している記者がお伝えします。
豪州王立委員会は、カトリックの事件を調査していましたが、今度はJWですか?」
記者「1950年より隠匿された性犯罪者は1006人にものぼります。一人で複数の犯罪を犯しているケースもあり、事件の数はさらに増えそうです。
いずれも警察に通報されていません。JWは事件を身内で解決しようとします。
加害者と被害者を対面させるのです。被害女性『BCB』は15歳の頃から長老から虐待を受けました。事件後、JWがとった方法とは、被害者女性と加害者を引き合わせることでした。」
被害女性BCB 「私は被害を、長老団の前で説明させられた。そこには加害者も同席していた。恥ずかしかった。」
記者「女性は、事件を口外しないように言われた。それは加害者とその家族を守るためだった。」
被害女性BCB「加害者とその家族だけが守られた。私は辱めを受け、捨てられたも同然だった。」
記者「多くの性的虐待者が、警察に届けられないままJWの中で犯行を繰り返してきました。その数は1950年以来1006人にのぼります。そのことを調査委員会で、1人の長老が証言しました。」
調査委員「あなたは、性犯罪を警察に通報する義務があるということを認識していましたか?」
長老「私は警察に通報しないという組織の方針に従います」
記者「長老は犯人隠匿の罪で刑事告訴される見通しです。JWは、加害者の言い分だけで問題を処理した組織的に犯罪を隠ぺいしていた疑いがもたれています。」
調査委員「『二人の証人』ルールのため、少なくとも125件の性的虐待が闇に葬られた。」
記者「JWへの聴聞は2週間に渡って行われます。
別の長老は、BCBさんが虐待を調査委員会に通報しようとするのを引き止めました。
『通報は、組織に汚名を着せるものだ』と長老は弁解しましたが、のちに、間違った処置だと認めました。」
男性キャスター「調査委員会は、被害者に対する長老たちの対応について調査しているようですね。」
記者「長老バロー氏は、被害者女性たちに聖書的に対応した、と説明していますが、女性たちは長老たちの対応に失望し、自殺未遂をおかしています。
女性たちは、賠償も心のケアも受けていません。
JW側は対応の不備を認めました。」
被害女性BCB「長老に『私は虐待を警察に届けます』と言った。すると長老は『通報するな、さもないと…』
私:『さもないと、何なの?』
長老:『とにかく通報するな』
私:『通報したら、私は排斥ですか?』
長老:『虐待を警察に通報したら、あなたは排斥だ』
私:『え?レイプされた私が排斥になって、加害者がエホバの証人内で良い立場を保つの?』
長老:『とにかく警察に通報するな。通報したら、あなたは神から滅ぼされる。』」
書き起こし文は以上です。
虐待の被害を受けたすべての犠牲者の方々の心の傷が癒えますよう、祈っております。
また、ものみの塔聖書冊子協会*には、この隠ぺい体質を改革するよう切に願います。
(*電話046-233-0005 月曜~金曜8:00-12:00、13:00-17:00 )
元エホバの証人2世の美咲さんから体験談をご寄稿いただきましたので、忌避問題の体験談のページに掲載させていただきました。
美咲さん、お忙しい中、貴重な体験談を詳細に綴ってご寄稿くださり誠にありがとうございました。
(なお、現在多忙につき、申し訳ございませんが今回はコメント欄は閉じさせていただきます)
先日、アメブロを通じてご縁をいただいた「りんご(ITコンサル)」さん(JWとは無関係の方です)が私とお会いしてくださり、記事にしていただきましたのでこちらでもご紹介したいと思います。
様々な本を読んで毎日実践できていたのはその前の時期で、この1年余りは睡眠時間を削りながら気の重くなる作業や取材、様々な方への対応を続けていたため、次第に笑顔がなくなっていき、その様子を見ていた親友たちからは「もう辞めたほうがいいのでは?」と何度も勧告されました。(とりあえず、体験談の英訳作業は中断しました)
それでも辞めずにやってこれたのは、多少なりとも本の内容を実践し続けていたから、そして「あなたと出会えて良かった」と言ってくださる方々がいたからです。
先日、この状態を打開するため「マインドブロックバスター」の春野はるみさん(JWとは無関係の方です)とお会いすることに決め、その結果りんごさんともご縁をいただくこととなりました。
りんごさんによる、春野はるみさんインタビュー記事はこちらです。
再び自分の心が悲しみや恐怖心に支配されないよう気を付けながら、エホバの証人の子どもたちが自由に宗教を選んだり、進学・就職ができるようにするため、そしてものみの塔による忌避の被害をなくすために、当ホームページを一般の方々を含む多くの方々にご覧いただけるよう尽力したいと思っております。