忌避問題~排斥された信者達の体験談
ものみの塔独自の教理で、社会的にも大きな問題となっているものの一つに、「忌避問題」というものがあります。
冤罪を含む排斥や断絶で、信者ではなくなった後は、信者とは一切口を聞いてはいけない、あいさつすらしてはいけない、というものです。(参考:排斥者との交友をやめないと追放される。排斥された家族にはEメールもしない)
ものみの塔の公式サイトでは「ある人が排斥されたものの、妻や子どもが引き続きエホバの証人である場合…宗教的な結びつきは変わりますが、家族としてのきずなは変わりません。結婚関係、家族の愛情やかかわりは続きます。」とされています。
しかし、その一方で以下のように記載しているページもあり、公式サイト内でも矛盾した記述が確認できます。(「エホバの証人の公式ウェブサイト JW.ORG 」で「排斥された人にどう対応すべきか」と検索すると該当ページが一番上に出てきます)
徹底的に避けることは本当に必要か。そのとおりです。理由があります。第一に、神とみ言葉に対する忠節がかかっています。
JW.ORG /エホバの証人の公式ウェブサイト より
そして統治体から出された長老への指示の手紙では、はっきりと「交流を避けるように」との指示が出されており、実際に排斥に遭った方々は忌避をされています。
2010年頃から、排斥のペナルティは強化され、実質家族からも破門されることとなりました。
排斥に遭った方々は、「家族の死に目にすら逢えない」「家族の冠婚葬祭の出入り禁止」「親が年老いても、排斥された子供たちからの介護を受けることを禁止されている」という状況に置かれています。
実際に日本各地で、「道端で会った際、排斥者とわかれば目を伏せる」「飲食店の番号待ちで、排斥者家族を現役エホバの証人が見つけたら、並ばずに店から去る」「排斥者が電話に出たら即座に電話を切る」「排斥されたという理由で、エホバの証人の雇い主からの不当解雇」というような、家族・友人間においても常軌を逸した「忌避・嫌悪」が行われています。
ものみの塔には排斥の益として「当人に衝撃を与えて本心に立ち返らせる」と記されています。
しかし、このような制裁を行う宗教が本当に「幸福な家族生活の秘訣を持った宗教」でしょうか?
ものみの塔の「ダブルスタンダード」(公式見解と実際に上層部から出されている指示が異なる、国によって教理が異なる、など)の実態は、近年明るみになりつつありますが、この「忌避行為」は人権侵害の最たるものだと思います。
「エホバの証人以外の人は『この世の人』で、悪魔サタンの影響を受けているので、深い交流を持ってはいけない」とされ、従順にその規則に従って生きてきた信者が、ある日突然、冤罪を含む排斥や断絶によって、信者との一切の交流を絶たれてしまうのです。それまでお互いを「兄弟」「姉妹」と呼び合い、まるで家族のように親密な交流を行ってきた信者たちから、一斉に無視をされ、「霊的に死んだ者」として扱われるのです。
これにより精神疾患を発症したり、自死を選ぶ方々も多くいます。
この異常で非人道的なシステムを一刻も早くなくすよう、ものみの塔聖書冊子協会*に切に願います。
(*電話046-233-0005 月曜~金曜8:00-12:00、13:00-17:00 )
また現役信者の方でこちらのページをご覧になっている方がいらっしゃいましたら、「これは本当に愛のある神が求めていることなのだろうか?自分が忌避されたらどのように感じるだろうか?」と、考えていただけたら幸いです。
私は、忌避により言葉にできないほどの苦しみを受けている方々が一人でも多く救われることを願っております。
忌避の被害に遭われている方々からいただいたご寄稿文を以下にご紹介します。
(2021年3月25日追記:教団が方針を変え、忌避の統制を弱めたようです。排斥された方や断絶された元信者の方々が、現役の信者の方々と宗教以外の会話はできるようになったそうです。参考「嘘から出たまこと」)
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