体罰 – 絶対にすべきではない理由
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体罰をすべきでない理由その2…体罰は暴力の連鎖につながる
体罰を受けて育つと、体罰を容認するようになるケースは少なくないそうです。
親からの体罰は、「場合によっては暴力をふるってもいい」というメッセージを子どもに伝えることにもなります。
体罰を受けて育った子どもは、大人になっても怒りの感情を持ち続けるため、将来の恋人や結婚相手、子どもなどに暴力をふるう確率が高くなります。
『児童精神科医ママの子どもの心を育てるコツBOOK』白尾直子著より
白尾先生によると、容認するケースは主に次の2つのタイプに分けられるそうです。
- 体罰を受けて良かったというタイプ
その人の子ども時代には「殴ってでも厳しくしつけるのが良い」という意見が主流だったかもしれませんし、その人は暴力によるしつけを受けてもうまく成長することができたかもしれません。でも、それはその人がとても強靭な精神力を持っていたか、ご両親が体罰以外のところで上手に愛情を伝えてくれていたのかもしれません。
体罰を肯定する人は、自分が受けてよかったから、と思われてのことでしょうが、たとえば、自分が飲んで治った薬でも、その後の調査で、長期的に見れば深刻な副作用が出る可能性があるとわかれば、自分の子どもには飲ませないと思います。
もし、ほかに副作用のない薬があるなら、そちらを使うのではないでしょうか。体罰も同じだと思います。
『子育てハッピーアドバイス2』明橋大二著より
- 体罰がとても辛かったにも関わらず、容認するというタイプ
「ほかのしつけ方は知らないし、体罰に頼るしかないかな」という動機です。誰でも子ども時代は一度しかありませんから、親の子育てをお手本にするのは自然なことです。
自分が子どもを持ってみると、「親もよかれと思って、こうしてくれていたのだろう」と肯定的に受け取れるようになることもあります。また親の育て方を否定することは、今の自分を否定することにつながるという気持ちもあるかもしれません。そして子ども時代の苦しかった記憶を持っていると心の健康を損ねてしまいかねないので、「苦しんだなりに、意味のあることだったんだ」とポジティブな記憶に置き換えることも人間の心の適応的な反応といえます。
でも、本当は親だって間違えたり失敗したりすることもあります。(中略)自分が育てられた方法と、子どもの育て方を変えることは、親や自分を否定することにはなりません。少なくとも一度は「自分はこう育てられた」という経験の枠をはずして、改めて「わが子をどう育てたいか」を考えてみるのも大事なことではないでしょうか。
『児童精神科医ママの子どもの心を育てるコツBOOK』白尾直子著より
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