体罰 – 絶対にすべきではない理由

体罰をすべきでない理由その3…体罰では良心は育たない

小さい頃から頻繁に体罰を繰り返されると、子どもは萎縮し、恐怖心を持ち、自信を失ってしまいます。
また体罰を避けるために、大人の前ではおとなしくなりますが、見ていないところでは守ろうとしません。体罰を使った子育ては「恐怖政治」のようなものだからです。
そのため、善悪の判断や行動のコントロールを主体的に学ぶ機会を奪われてしまいます。

うそやごまかしを平気でやる人たちの育てられ方を調べたら、親がむやみに体罰その他の罰を与える特徴があったそうです。
いちばん大切な「良心」が育っていなかったのです。これではしつけとはいえないでしょう。
しつけの目標は、人に言われなくても、自分で判断し、自分をコントロールできることだからです。
子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方・叱り方2』明橋大二著より

日常的に体罰を受け続けると自分の心を麻痺させなければ耐えていけなくなります。
そうすると、自分の痛みを感じなくなるばかりか、他人の痛みも感じられなくなり、他人を傷つけてしまうこともあります。
『Q&Aヘルプ!子どもの権利110番』より

体罰に関する世界的な流れ

多くの虐待は、「しつけのための体罰」(ものみの塔の場合は「懲らしめ」)と称して行われていることから、体罰は、虐待の温床となっているともいわれています。
そのことから、世界的な流れとして家庭での体罰を含むあらゆる子どもへの暴力を禁ずる法律を制定する国が徐々に増えています。現在、世界で51カ国がそのような法律を制定しています。

そのさきがけとなったスウェーデンでは、1979年に世界で初めて体罰全面禁止の法律を制定し、体罰に替わるしつけの方法について大々的なキャンペーンを行いました。その結果、1960年代には、90パーセント以上の親が子どものしつけに体罰を使っていましたが、年々その率は下がり、2000年代には、10パーセント以下になっています。それに伴って、スウェーデンでの虐待件数は、国際的に見てもかなり少ないレベルまで減少しました。
子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方・叱り方2』明橋大二著より

日本では学校や施設での体罰は法律で禁止されていますが、今現在、まだ家庭での体罰は禁止されていません。しかし日本でも体罰のリスクがもっと啓発されれば、確実に虐待の数は減ることでしょう。

コメント

“体罰 – 絶対にすべきではない理由” への4件のフィードバック

  1. Tのアバター
    T

    私はエホバの証人の二世として育てられた者です。今は断絶(エホバの証人の組織を抜けること)しています。
    当時、懲らしめという名の体罰は日常的でした。私の場合は王国会館(エホバの証人の集会場)ではなく、家庭で受けていました。懲らしめの鞭棒は各家庭でそれぞれ異なっていましたが、我が家の場合は竹製の箒でした。
    私には4歳年上の姉がいましたが、姉は、ほぼ毎日のように受けていました。ひどい時は朝と晩、一日に何回も受けていました。私は従順でしたので少なかったです。週に一回、悪くても二回ぐらいでした。
    その一回のうちに、複数回叩かれることがありますが、痛いのは最初の一回目だけです。二回めからはもう麻痺しているのでそんなに痛みは感じませんでした。最初の一回目は、気を失う一歩手前ぐらいの痛さでした。その後は、お風呂に入るのが痛くて辛かったです。
    痛みを和らげる方法がありました。鞭を受けるとき、違うことを考えるんです。楽しいことを考えることに慣れてくると、段々と痛みを感じないようになっていきます。
    自分自身が鞭を受けるよりも辛いことがあります。それは姉が鞭を受ける時、それを目の前で見なくてはいけないことです。目をそらしていると姉の鞭の回数が増えます。姉が受ける鞭を見るよりも、自分でその鞭を受けた方が100倍いいです。
    この懲らしめの鞭は組織的に行われたものです。王国会館(集会場)での話の中で、具体的な鞭の方法の話がありましたから。
    これは当時の二世では常識的に知っていることです。この話に誰も驚かないと思います。

    1. Maayaのアバター

      Tさん、コメントをありがとうございます。
      Tさんも大変お辛い目に遭われてきたのですね…。
      そしてTさんの行かれていた集会でも、具体的な鞭の方法の話がされていたんですね…。
      どうか体罰に関する正しい知識が広まり、このような悲劇がなくなることを願っています。

  2. 白の騎士団のアバター
    白の騎士団

    そうですよね。
    僕も子供の頃に鞭による懲らしめを受けました。
    我が家の場合は、電気コードを束ねてビニールテープで固めた物でした。
    しかも、単に固めるだけでなく捻って固めてあった為、痛みが倍増したのを覚えています。
    今思えば、おかしな話ですよね。
    子供は牛や馬じゃないんですから、叩いて教えるというのは間違ってますよね。
    鞭で打たれたくないから親の言うことをきく・・・
    これでは本末転倒ですね。
    エホバの証人では、昔本気で「鞭による権威」なんて事がものみの搭で扱われたり、度々紙面に出てきました。
    確かに、悪いことをしたら叱るのは当然ですが、なんで叱られたのか?これがなぜ悪いことなのか?を子供自身が理解するまで辛抱強く教えなければなりません。
    鞭による教えは手っ取り早いですが、それでは何の意味もありません。
    鞭で打たれる事によって、子供は親ではなく鞭を恐れる様になってしまいますからね。

    1. Maayaのアバター

      白の騎士団さん、コメントをありがとうございます。
      子ども時代、そのようなひどい目に遭われていたのですね…。
      どうか私たちのような虐待の被害者がこれ以上増えないことを願ってやみません。

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